米軍のパンツに着想 時代を問わない普遍性

「オフィスカジュアルでは細身のシルエットが好まれることが多いと思います。ただ、ミリタリーを起源とするチノパンの歴史を考えると、太めの方が正統派とも言えます」

そう語るのは、東京・銀座などに直営店を構える「KURO(クロ)」の統括製造販売部マネージャー、江原圭吾氏だ。条件に合うアイテムとして紹介してくれたのは、1941年に製造されたアメリカ陸軍のチノパンを参考にした1本だ。

強く糸によりをかけ、強度を高めた「強撚糸」を使用。さらに高密度で織り上げて強靱(きょうじん)な生地に仕上げている。ウエスト部分はステッチを省いた“裁ち出し”という仕様。腰回りがすっきり見え、タックインとの相性もいい。KURO / 41KHAKI CHINO PANTS 2万900円(税込み)

「参考にしたチノパンは80年経った今でも服好きに愛される名作です。ゆったりしたシルエットに加え、フロントのポケットの形状や縫製に至るまで、当時のビンテージのチノパンのディテールを踏襲しています。時代を問わない普遍性に注目してほしいですね」

チノパンの原型とも呼べる一本のようだが、今着こなすならどんなコーディネートがいいだろうか。

同系色でまとめたコーディネート例
シューズまで同じトーンで合わせる着こなしも新鮮だ

「メンズファッションの基本型がセットアップということもあり、同系色でまとめると全体に統一感を持たせられます。ベージュのダウンや、イエロー系のスニーカーと合わせてみるのはいかがでしょうか」

チノパンの“おじさん”感を払拭 シルエットもテーラー顔負け

東京・高円寺のセレクトショップ「Lampa(ランパ)」店主の遠山勇氏にも話を聞いた。選んでくれたのは、日本発のブランド、Barnstormer(バーンストーマー)の1本だ。

1970年代のアイビーブームをけん引したブランドの一着。タックインしたシャツが出にくいように配慮したウエスト部分の裏地使いやおなかの部分をすっきりと見せる「テング」というディテールなど見えない部分にも工夫がある。 BARNSTORMER / マッカーサー2 2万900円(税込み)
ネイビーもそろえる

「国内で数件の工場しかできない特殊な加工を施した、高級感のある独特のハリと光沢のある生地が特徴です。チノパンがおじさんっぽく見えてしまうことがあるのは、生地のチープさによるところも大きい。このパンツならそのような心配はいりません」

生地が上質なだけでなく、作りのよさも際立っているという。

ひと目で違いが分かる上質な生地。内側にはボタン留めをしてパンツの位置を安定させる「テング」をつけている
ヴィンテージのスラックスに見られるフラップ付きのウオッチポケットもついている

「縫製はスーツ工場の熟練した職人が行っています。縫製を熟知したパタンナーが手がけた、流れるようなシルエットも魅力的。上品に着こなせるので、ビジカジにはうってつけの一本です。パーカーやナイロンジャケットといったカジュアルなアイテムとの組み合わせも意外性があって面白いと思いますよ」

文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)


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