100均キッチン用品10選 時間とスペースを有効活用
巣ごもり生活が長引き、キッチンに立つ時間が増えた。時間とスペースを有効に使えれば、料理はもっと楽しくなる。キッチンにそろえておくと便利な100均グッズを専門家が選んだ。
1位 小麦粉ふりふりストッカー
粉砂糖も均一にまぶせる
ムニエルやソテーの下ごしらえなど、材料を小麦粉でまぶす場面は意外と多い。ただ、レシピに「大さじ1杯」と分量が示されていても、計量用さじに小麦粉を盛って、均一にふりかけるのは至難の業。茶こしを流用することもできるが、網の目が詰まりがちだ。
そんなストレスを解消するアイデア商品として設計されたのがこのストッカー。あらかじめ小麦粉を必要量入れておき、片手で振りかけるだけでまぶす作業が済んでしまう。「キャップ付きなので、そのまま保存もできて、粉ふるいより格段に便利だ」(和田由貴さん)
網目を粗くすることで粒がつまらないよう工夫してあり、軽く振るだけで粉が落ちる。日常的に愛用する専門家も多数いるようで「ないと不便とまで言えそう」(松崎のり子さん)という声もあった。
小麦粉ストッカーと銘打っているものの、お菓子に粉砂糖を振りかけるのにも適している。ほかにも「片栗粉を振り入れれば水溶きなしでとろみ調理に使える」(すはらひろこさん)との指摘や「調理だけでなくプラモデルなどの装飾にも使えそう」(GO羽鳥さん)という気づきもあった。
ふたがゆるく、カップの底がやや小さい。テーブルやキッチンカウンターに置く際は倒さないように注意しよう。(1)キャンドゥなど
2位 ドアポケット用仕切り
チューブ類も倒れずに収納
冷蔵庫のドアポケット内に入れるチューブ状の調味料やスライスチーズ、ドレッシングなどは、置き場所がなかなか定まらない。苦労して整理しても、いつの間にか散らかったり、倒れてしまったりする。そんな問題を解決するのがこの仕切りだ。
ドアポケットの好きな場所を挟むだけでスペースを区切れる。「見た目のきゃしゃさに反して重たいものも支えてくれそう」(ジョーさん。)。出し入れの頻度が高い「瓶ものの住所を決められる」(小松伸司さん)。
専門家からは冷蔵庫以外の様々な場面で使うアイデアも挙がってきた。例えば、ばらけがちな口紅やファンデーションのコンパクトケースなどをしまうコスメボックス内の仕切りとして。また、文具を入れるトレーや引き出しの中ではクリップや付箋など「細かいものを仕切りたい時にも使える」(高橋咲彩さん)。(1)ワッツなど
3位 シャカシャカねぎポット
冷凍ねぎ、くっつかずに振りかけ
納豆、味噌汁、お好み焼き――。頻繁に使うねぎは「買ってきたら一度すべてカットして冷凍しておくと便利」(矢野きくのさん)だが、ねぎ同士がくっつかないように振りかけるのは難しい。それを解決するのがこのポット。
一見しただけでは普通の容器に見えるが、下にすのこを敷くことで水気が切れてねぎをぱらぱらと振りかけやすくする工夫が凝らされている。「いつも冷凍庫にある細かい物を入れられて整理にもなるし便利だ」(鈴木久美子さん)
入れておくのは「半分くらいの分量にしておくと、容器内でバラバラになりやすい」(すはらさん)。すのこは振ったときに上下しすぎないよう、つっかい棒がついている。他にもピザ用チーズやコーン、グリーンピースにも使える。(1)セリアなど
4位 電子レンジ調理器 パスタ
洗いものを最小限に
短時間で手軽に作れるパスタ。ただ、鍋やざるなど大きな調理器具を洗うのは面倒だ。この調理器なら分量の調整、ゆで、湯切りの3段階すべてが完結する。水位線に合わせて水と塩を入れ、指定されたゆで時間より4~6分ほど長めに電子レンジで温めるだけ。「調理を手抜きしたい日に助かる」(つくもはるさん)
作れる量は1~1.5人分。ふたの内側に、束ねたパスタの直径からグラム数が分かるよう、丸い突起がある。火を使わないため、湯切り作業を除けば「小学生くらいの子どもにお手伝いもお願いできそう」(高橋咲彩さん)。レンジにかけるときはふたを外す。(1)セリアなど
5位 レトルト絞り&カッター
具やソース 最後まで出し切る
在宅勤務の時短調理に重宝するレトルト食品。挟んで引くだけでパウチを開けられ、中に残りやすい具材やソースを最後まで出し切れる便利グッズがこの商品だ。「湯煎した後の熱くて触れない物もしっかり絞れる」(ジョーさん。)。マグネット付きで冷蔵庫に張り付けられるので、必要なときにすぐに手が届く。
「食品用レトルトだけでなく、シャンプーやコンディショナーの詰め替えにも使える」(高橋ゆきさん)。最後までしっかり絞ろうとすると本体がソースで汚れてしまうため、素手を使った作業とうまく組み合わせよう。(1)キャンドゥなど
6位 イージーシーラー
プラスチックの袋 自宅で密閉
プラスチックの袋の開口部を外側から挟み、ゆっくりスライドさせるだけで密閉できる優れもの。電熱式でビニールを溶かす仕組みで、数秒温めるだけで使える。「今までフードクリップに頼ってきたものの大半をこれで閉じられる」(小松さん)。「核家族向けの量感で売られているものを1~2人世帯で使い切れない場面にうれしい」(ジョーさん。)
お菓子や乾き物の湿気防止だけでなく「贈り物やフリマアプリの梱包にも使える」(矢野さん)。手軽に持ち出しやすいので、屋外で液体や生ものが混じったゴミ袋を閉じるのにも活躍する。単3電池は別売り。(1)ダイソーなど
7位 どこでもキャップミニ
包装の袋から移し替えずに出し入れ
砂糖や塩、米などを購入時の袋に取り付けるアイデア商品。保存のために別の容器に移し替える手間が省ける。
袋の角を三角形に切り取り、付属のパーツで袋を挟み込む。あとはふたをはめれば取り付け完了だ。「袋をまるでボトルのように使え、衛生的だ」(高橋ゆきさん)
小麦粉、パン粉などの粉物類、コーヒー豆などの粒状の食材を保存するのに適している。グリーンピースのように粒状で小出しに使うことが多い冷凍食品の保管にもおすすめで「毎回輪ゴムを開け閉めする煩わしさが省ける」(和田さん)。(1)キャンドゥなど
8位 大さじ1杯バターカッター
固いバターも正確に切り出し
料理で使うバターの分量について、レシピ本では「大さじ1杯」という表記をよく見かける。固体のバターはさじで正確にえぐるのが難しく、重さ(約12グラム)を量るのも面倒だ。このカッターは大さじ相当のバターだけでなく、小さじ1杯(4グラム)分を切り取る目盛りもついている。「カトラリーくらいのサイズなので、収納場所もとらない」(すはらさん)
おうち時間を生かして「パンケーキにのせるなど写真映えするメニューを作るときにも役立つ」(つくもさん)。「食洗機で洗えるところも助かる」(松崎さん)(1)キャンドゥ、ワッツなど
8位 ネギカッター
美しい白髪ねぎ 瞬時に
ねぎの繊維に沿って切り込みを入れる白髪ねぎは、均一な太さにしようとすると意外と難しい。このカッターを使えば、ねぎの白い部分に刃を当てて動かすだけで白髪ねぎが作れる。少々力はいるものの、刃先に気を使う包丁よりは安全なので「子どもにお手伝いもお願いしやすい」(矢野さん)。
専門家からはねぎ以外の用途に様々な素材に使うアイデアが寄せられた。キュウリを細切りにしたり、肉の下ごしらえで筋を切ったり、ウインナーに切れ込みを入れたり。「使い手のアイデア次第でマルチな用法のある隠れた名品だ」(つくもさん)(1)ダイソーなど
10位 キッチンツールスタンド
お玉を立てたままスタンバイ
調理中、置き場所に困るお玉。直面する頻度は高いのに放置しがちな悩みを解決するアイデア商品だ。「意外と工夫の必要なお玉の置き場所がこれで解決する」(峰川あゆみさん)
中央部分がくぼんでおり、お玉の外側に付着した煮汁が周囲にこぼれない。「つくりは単純だが、お玉が倒れなかった」(松崎さん)、「必要な機能をシンプルかつコンパクトに仕上げた形でよい」(すはらさん)とよく考えられたデザインを評価するコメントが集まった。場所をとらないので、調理台に出しっぱなしにしておけば、必要と思った瞬間にすぐに置ける。(1)セリアなど
在宅勤務の自炊、手軽に楽しく
首都圏などで緊急事態宣言が延長され、長引く巣ごもり生活。家で過ごす時間にメリハリを与え、節約もできるのが自炊だ。レンジ調理具の売れ行きが伸び、レトルト食品やパスタなど手軽な料理をする人も増えた。今回のランキングでも手間を省けるグッズを推す専門家が目立った。
消耗雑貨が中心だったキッチングッズの売れ筋にも変化がみられる。1つで多くの機能を備え、洗い物を減らせるものがより人気だ。平日の食事用に作り置きをする人も増えていて、保存容器や収納雑貨の売れ行きも高まっている。
「製菓やカフェ関連商品も好調」(キャンドゥ担当者)だ。今回のランキングには入らなかったものの、温かい牛乳を泡立ててコーヒーの上にのせて手軽にカプチーノを楽しめる「カプチーノミルクフォーマー」もある。おうちカフェを楽しんでみてはいかがだろう。
100円ショップのキッチングッズはアイデア次第で使い方自由だ。場面に合わせて柔軟に発想してみよう。
ランキングの見方
調査の方法
今週の専門家
(生活情報部 田中早紀)
[NIKKEIプラス1 2021年2月6日付]
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