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母と娘を狙い、シェア70%伸び クラシエのシャンプー

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

ヘアケア市場がここ数年横ばいの中、「母と娘」をターゲットにしたクラシエホームプロダクツ(東京・港)の「マー&ミー ラッテ」はコロナ禍でも前年同月比70%増と市場シェアを伸ばし、好調に推移している。ブランドコンセプトである「親子の時間を大切に」を徹底し、今できることを提案し続けたことが奏功した。

共有して使うヘアケア製品

「マー&ミー ラッテ」シリーズは、母と娘で一緒に使うというコンセプトを打ち出したヘアケア商品だ。「お子様が3歳前後になるとベビー・キッズシャンプーから卒業を検討」(クラシエホームプロダクツヘアケアマーケティング部係長の綿引志帆氏)し、これまで多くの家庭が大人に合わせた商品にするか、子供に合わせた商品を使うかの二択を迫られていた。

そこでマー&ミーラッテは「I(母)の目線」か「You(娘)の目線」かという一方の目線で考えるのではなく、「Weの目線」でお互いシャンプーを共有でき、物足りなさを感じないものを目指したのだという。

また、親子で過ごすお風呂の時間が、日々の出来事を「語り合う場」ではなく、体を清潔にするための「作業場」になりがちな現状を打破したいという思いもあった。このコンセプトが共感を呼び、2018年秋に発売以降、母と娘を主語にユーザーの共感を得て市場シェアは好調に推移した。

情緒的な価値を大切にしているものの、開発では母と娘でヘアダメージや臭いなど気になる問題が異なるところに注目。2種類のたんぱく質を配合し、それぞれのダメージケアができるようにした。子供が自分でも洗いやすいよう、さっと泡立ち、泡持ちがよいこと、地肌からすっきり洗い上げながら、大人の髪でもきしまないことを目指し、独自の活性剤を開発した。

パッケージは、ブランドテーマであるLatte(ラッテ)、つまりミルクをイメージした「急がない」デザインに。ツートンカラーで落ち着きのある、ほっとする色を採用した。国内では「日本パッケージデザイン大賞2021」のトイレタリー用品部門で各部門の最高賞である金賞を、海外では「Red Dot Award 2020」のBrands&Communication Design部門に入賞した。

母子で一緒に楽しむプロダクト

同ブランドでは顧客とのタッチポイントとして、テレビCMのほかにリアルイベントやInstagram(インスタグラム)を積極的に活用している。特徴的なのは機能的価値よりも、親子で楽しむという情緒的価値を訴求していることだ。商品そのものの機能はもちろんだが、商品を通じて日々の体験を豊かにしたい、ということを重視してさまざまな施策を打っている。

リアルイベントは、ヘアスタイリストが母と娘に同じヘアアレンジを施す「リンクヘアー」イベントなどを実施。18年の発売直後から19年までに、1500組以上の親子が全国のショッピングセンターなどで体験した。20年8月からは千葉市にある仕事体験テーマパーク「カンドゥー」に常設アクティビティーブース「マー&ミー ラッテヘアサロン」をオープン。2500人以上の親子が体験した。

Instagramでは、色や柄など部分的に合わせたリンクコーデやリンクヘアーを提案したり、キャンペーンを実施したりしている。キャンペーンでプレゼントするノベルティーは、キャンペーンのために特別に用意したオリジナルのものだ。「お風呂場を越えて、(母と娘)2人のレディーが美しくなれる時間を提案する手段の一つとして、ノベルティーを制作している」と同社宣伝・販促部係長の駒村友紀氏は話す。

第1弾は母子が一緒にくるまれる、長さ約2メートルのタオル。第2弾は同じヘアスタイルやヘアアクセサリーを楽しめるリンクヘアーグッズ。第3弾は大きさの異なるヘアブラシで、第4弾は大きさの異なる木製のミラーだ。

特に第3弾はキャンペーン期間が20年4~5月で、新型コロナ禍による緊急事態宣言と重なったこともあり、応募件数が大幅に伸長し8万7580件、フォロワー数もキャンペーン前から約6000人増加した。

コロナ禍でもブランドの存在意義や大きな戦略は変えず、「この状況下だからこそ、お客様目線でブランドとしてどういった価値を提供できるのかを改めて考え取り組んだ。それに加えスピード感を持って対応するよう、チームで動いた」と同社ヘアケアマーケティング部課長の岩谷充陽氏は話す。

象徴的なものの1つが「おうち時間オリジナルビンゴ」を作成したこと。チームメンバーも子を持つ親。学校が休校になり、これからどうしようかといったときに、「(コロナ禍で)さまざまな制限はあるが、自宅で楽しく過ごすきっかけをつくれれば」(駒村氏)との思いで作成した。ブランドホームページでは、各家庭で楽しめるようビンゴカードをダウンロードできるようにした。

子供の大きな行事の1つでもある七五三。特に3歳は「髪置きの儀」ともいわれている。「七五三で着物を着る際、ヘアアレンジを考えることもあり、マー&ミーにとって重要なポイントになるのでは」(駒村氏)と捉え、「#3歳はレディーのはじまり」とうたった特設サイトを開設、スペシャルムービーを作成した。

またコロナ禍とかぶってしまい、従来通りの七五三を迎えられない家庭もあることから、ママと子供のライフスタイルWEBマガジン「mercidays by HugMug」と一緒に、「おうち七五三」も提案した。「おうちでもママプロデュースで楽しめる七五三という新しい形を提案したかった」(駒村氏)。サイトでは同ブランドのクリームやオイルミストを使ったヘアアレンジを紹介している。

ブランドの戦略を変えず、今できることを着実に提案していった結果、ヘアケア市場が横ばいの中で、シャンプー・リンスカテゴリーにおける20年12月の市場シェア(金額ベース)は前年同月比約70%増の伸びを記録した。トリートメントやスタイリング商材は、外出自粛の影響で厳しい状況だったにもかかわらず、「出荷は計画以上に増えている状況」(岩谷氏)だという。

お風呂を越えた体験の提供

21年1月29日に発売したリンスインシャンプーでは、数量限定で絵本をセットにした「おやこの時間セット」も販売する。絵本はブランドオリジナルで書き下ろした作品だ。「髪を洗うところで終わるのではなく、お風呂から上がって本を読むといった親子の時間を大切にすることを伝えられれば」(岩谷氏)。

「コロナ禍を機に親子の生活も以前とは変化したと思う。新しい生活に対応した商品を提案していきたい。企画している商品も、親子の時間をよいものにできるよう模索している」(綿引氏)。シャンプーを中心とするブランドなので「洗う」が中心にある。忙しい毎日を送る中で、義務的・作業的になってしまっている「洗う」を、ちょっとでも楽しく、意味のある時間にできればと準備している段階だという。

その1つとして、「洗う」を伝える教室といったイベントを考えているという。「商品のスペックはもちろんのこと、商品を使ってどういった体験ができるかが重視されてきている」と岩谷氏。モノ消費からコト消費に変化したように、ブランドと消費者の接点がどうあるべきかが問われている。

(日経クロストレンド 松野紗梨)

[日経クロストレンド 2021年1月27日の記事を再構成]

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