母と娘を狙い、シェア70%伸び クラシエのシャンプー

日経クロストレンド

ヘアケア市場が横ばいの中、コロナ禍でもできることを模索しブランドを広げ続けた「マー&ミー ラッテ」の市場シェア(金額ベース、2020年12月)は、前年同月比約70%の伸びと好調だ
ヘアケア市場が横ばいの中、コロナ禍でもできることを模索しブランドを広げ続けた「マー&ミー ラッテ」の市場シェア(金額ベース、2020年12月)は、前年同月比約70%の伸びと好調だ
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ヘアケア市場がここ数年横ばいの中、「母と娘」をターゲットにしたクラシエホームプロダクツ(東京・港)の「マー&ミー ラッテ」はコロナ禍でも前年同月比70%増と市場シェアを伸ばし、好調に推移している。ブランドコンセプトである「親子の時間を大切に」を徹底し、今できることを提案し続けたことが奏功した。

共有して使うヘアケア製品

「マー&ミー ラッテ」シリーズは、母と娘で一緒に使うというコンセプトを打ち出したヘアケア商品だ。「お子様が3歳前後になるとベビー・キッズシャンプーから卒業を検討」(クラシエホームプロダクツヘアケアマーケティング部係長の綿引志帆氏)し、これまで多くの家庭が大人に合わせた商品にするか、子供に合わせた商品を使うかの二択を迫られていた。

そこでマー&ミーラッテは「I(母)の目線」か「You(娘)の目線」かという一方の目線で考えるのではなく、「Weの目線」でお互いシャンプーを共有でき、物足りなさを感じないものを目指したのだという。

また、親子で過ごすお風呂の時間が、日々の出来事を「語り合う場」ではなく、体を清潔にするための「作業場」になりがちな現状を打破したいという思いもあった。このコンセプトが共感を呼び、2018年秋に発売以降、母と娘を主語にユーザーの共感を得て市場シェアは好調に推移した。

情緒的な価値を大切にしているものの、開発では母と娘でヘアダメージや臭いなど気になる問題が異なるところに注目。2種類のたんぱく質を配合し、それぞれのダメージケアができるようにした。子供が自分でも洗いやすいよう、さっと泡立ち、泡持ちがよいこと、地肌からすっきり洗い上げながら、大人の髪でもきしまないことを目指し、独自の活性剤を開発した。

パッケージは、ブランドテーマであるLatte(ラッテ)、つまりミルクをイメージした「急がない」デザインに。ツートンカラーで落ち着きのある、ほっとする色を採用した。国内では「日本パッケージデザイン大賞2021」のトイレタリー用品部門で各部門の最高賞である金賞を、海外では「Red Dot Award 2020」のBrands&Communication Design部門に入賞した。

母子で一緒に楽しむプロダクト

同ブランドでは顧客とのタッチポイントとして、テレビCMのほかにリアルイベントやInstagram(インスタグラム)を積極的に活用している。特徴的なのは機能的価値よりも、親子で楽しむという情緒的価値を訴求していることだ。商品そのものの機能はもちろんだが、商品を通じて日々の体験を豊かにしたい、ということを重視してさまざまな施策を打っている。

リアルイベントは、ヘアスタイリストが母と娘に同じヘアアレンジを施す「リンクヘアー」イベントなどを実施。18年の発売直後から19年までに、1500組以上の親子が全国のショッピングセンターなどで体験した。20年8月からは千葉市にある仕事体験テーマパーク「カンドゥー」に常設アクティビティーブース「マー&ミー ラッテヘアサロン」をオープン。2500人以上の親子が体験した。

Instagramでは、色や柄など部分的に合わせたリンクコーデやリンクヘアーを提案したり、キャンペーンを実施したりしている。キャンペーンでプレゼントするノベルティーは、キャンペーンのために特別に用意したオリジナルのものだ。「お風呂場を越えて、(母と娘)2人のレディーが美しくなれる時間を提案する手段の一つとして、ノベルティーを制作している」と同社宣伝・販促部係長の駒村友紀氏は話す。

第1弾は母子が一緒にくるまれる、長さ約2メートルのタオル。第2弾は同じヘアスタイルやヘアアクセサリーを楽しめるリンクヘアーグッズ。第3弾は大きさの異なるヘアブラシで、第4弾は大きさの異なる木製のミラーだ。

母娘でいっしょに楽しむプロダクト第3弾で作られたヘアブラシ

特に第3弾はキャンペーン期間が20年4~5月で、新型コロナ禍による緊急事態宣言と重なったこともあり、応募件数が大幅に伸長し8万7580件、フォロワー数もキャンペーン前から約6000人増加した。

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