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経営は「生きもの」であり、「環境の産物」ともいえる

経営は「生きもの」であり、「環境の産物」ともいえる

経営理論には、時代ごとの流行がある。次世代のビジネスリーダーには、最新の考え方に目を配りながら自分の仕事に生かしていく姿勢が不可欠だ。今回は、こうした理論を理解するために欠かせないベーシックな知識を解説した『企業経営の教科書』を紹介する。学びをより深めるためのツールとして活用していただきたい。

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遠藤功氏

遠藤功氏

著者の遠藤功氏は早稲田大学商学部卒業。米ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。2020年6月にコンサルティングのローランド・ベルガー日本法人会長を退任したあと、独立系のコンサルタントとして活動しています。現職はシナ・コーポレーション代表取締役です。

これまでに三菱電機や複数の外資系戦略コンサルティング会社を経験しています。2016年まで約10年間、早稲田大学ビジネススクール教授を務めました。また、良品計画、SOMPOホールディングスなどいくつかの企業で社外取締役や経営顧問をするかたわら、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっています。徹底して「現場力」にこだわる姿勢でも知られています。著書に『現場力を鍛える』『生きている会社、死んでいる会社』『新幹線 お掃除の天使たち』などがあります。

本書はリニューアル版です。最初が2005年に刊行した日経文庫『企業経営入門』。それをもとに2014年には日経文庫『ざっくりわかる企業経営のしくみ』を出しました。今回はその2冊を下敷きに全面的に中身を刷新し、改題しています。これからの経営を考える上で欠かせないデジタルテクノロジーのインパクトについて独立した章(第10章)を追加。さらに、コロナ禍が経営に与える影響についてもいくつか分析しています。

経営とゲームに共通すること

企業経営とは付加価値を生み出すことです。より高い価値を生むインセンティブになるのは、競争環境です。企業活動は、競争相手との間に差をつくることで「優位性」を構築することである、と著者は定義します。

 こうした一連の企業活動を行うためには、さまざまな要素、変数を複合的にマネージしなければなりません。しかも、そうした一連の企業活動の要素は必ずしも独立した変数ではなく、何かを変えれば他の要素に影響を与えます。
 また、企業を取り巻く環境は固定したものではなく、時々刻々と変化します。そうした変化に対応しながら、持続的な優位性を構築、維持しなければならないのです。
 しかし、だからこそ「企業経営は面白い」と言えます。経営をよく「ゲーム」にたとえる人がいます。社会的責任を担っている企業をゲームにたとえるのは短絡的かもしれませんが、環境変化のなかで多様な要素をコントロールしながら、厳しい競争を勝ち抜く考え方そのものは確かにゲームと類似したものがあります。
(第1章 変わり続ける時代の企業経営 40~41ページ)

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