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80代のチアリーダー コロナと米国リタイアの街の快活

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

ペギー・パーソンズさんには夢があった。80代になったとき、チアリーダーでいるという夢だ。

そこで、夫のビルさんを説き伏せて自宅を引き払い、車で15分ほどのところにある米アリゾナ州サンシティに移り住んだ。79歳のペギーさんにとって、引っ越しはこれが初めてではないし、もっと遠くに引っ越ししたこともある。それでも、これは大きな転機だった。

サンシティは、元気な高齢者向けに設計されたコミュニティーで、55歳以上の人々に退職後や子育て後の満ち足りた生活を提供することをコンセプトにしている。住民は約4万人で、その平均年齢は73.5歳。マージャンやピックルボール(パドルでボールを打ち合う競技)、タップダンス、チアリーディングなど130を超えるクラブに参加することができる。

サンシティは、アリゾナ州マリコパ郡にあり、州都フェニックスの北西30分足らずの場所に位置する。1960年に、この種のコミュニティーとしては初めて開設された。

街の中には、7つのレクリエーションセンター、8つのゴルフコースがあり、「サンシティは高齢者のディズニーランドのようなもの」とペギーさんは言う。「毎日がずっとバカンスのようなものだけど、旅行のようにスーツケースひとつで暮らす不自由さはないのよ」

だが2020年3月、サンシティの魅力であるにぎわいと活気に急ブレーキがかかった。このコミュニティーの人々は、今回のウイルスに特に弱い年代だ。20年10月22日時点で、アリゾナ州内の新型コロナウイルス感染者の65%が、人口が最も多いこのマリコパ郡に集中しており、地元の報道では、サンシティ地域でも約850人が感染したと推算されている。

この至れり尽くせりのコミュニティーに、パンデミック(世界的大流行)は大小さまざまな問題をもたらしている。ビル・ピアソンさん(72)はここで17年暮らしているが、「住民たちは急に何もすることがなくなってしまった」と言う。レクリエーションセンターはすべて閉鎖された。円形劇場もソフトボール場も、ボウリングセンターも、ドッグパークも使用できない。営業が認められているのは、ダグ・デュシー州知事が必要不可欠な活動と認めたゴルフ場だけだ。

ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保と自宅待機というルールによって、一部の人々は周囲との交流の機会を失った。マリリン・リッチリングさん(76)と夫のジョンさん(73)は、パンデミック前には、友人たちとのスクエアダンスに多くの時間を費やしていたが、夫婦ともに持病があるため、外出を控えるようになった。

「教会と家族を除けば、スクエアダンスは私にとって唯一の気晴らしでした。教会は閉鎖、ダンスも中止」とマリリンさんは言う。「私は家に閉じこもって、何もできませんでした」と彼女は話す。

だが、コロナ下の環境にうまく順応した住民もいる。ピックルボールのメンバーは、毎朝6時に教会の駐車場に集まり、簡易型のネットを設置し、3面分のコートを路面にチョークで描く。男声四重唱グループ「デザート・アイレス」のメンバーたちは、ズームの使い方を学んで、オンラインで練習ができるようになった。ジェフ・スカッグスさん(69)は、「ドス・ブーマーズ」という2人組のバンドのひとりだが、自宅前の袋小路に屋外用の椅子を持ってくるように近所の人たちに呼びかけ、無料で屋外コンサートを開いている。

チアリーディングチーム「サンシティ・ポム」の副会長であり、タップクラブ「ティップトップ・ダンサーズ」の会計係でもあるパーソンズさんは、活動を恋しく思っている。例年ならば、サンシティ・ポムは、1シーズンに12のパレードと50のショーに出演していた。

サンシティ・ポムの会長、ジェリー・ブラドックさんは、来年まではチームとしての練習はできないだろうと言う。だが、チームは、お互いが会える方法を見いだした。フラフープならだれもが戸外で安全に楽しめると気づいたのだ。今では、週に1回、朝7時にメンバーの家の裏庭に集まっている。

「また心が幸せな思いでいっぱいになりました。最初に集まった日は、満ち足りた喜びを一日中感じていました」とキャシー・ビラさん(63)は話してくれた。ビラさんは、ヨガ、太極拳、タップダンスのクラブにも参加している。「私たちはやっと友人たちに会い、活動し、顔を合わせて話すことができました。すばらしい日でした」

「多くの女性にとって、サンシティ・ポムは、単なるチーム以上の存在です」と語るのは、シェリル・ジャクソンさん(68)。彼女は、4人の子と9人の孫、慣れ親しんだ町を離れ、9年前にサンシティに引っ越してきた。今では、チアリーダー仲間が彼女の友達であり、姉妹であり、サポート役となっている。「(コロナ下でも)喜ぶことは大切です」と彼女は言う。「今の私たちは、喜びを切実に必要としています」

次ページでは、コロナ前とコロナ下のサンシティで、リタイア後を楽しむ人々を写真でご覧いただこう。

(文と写真 KENDRICK BRINSON、訳 稲永浩子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2020年11月23日付の記事を再構成]

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