ベンチャーに向いていない人のパターン
ここまで読んでいただければ、想像できると思いますが、ベンチャー企業への転職に向いていない人には、以下の傾向があります。企業風土や価値観は多様なので、自分が活躍できる場所も人それぞれです。あくまで一つの参考情報としてとらえていただければ幸いです。
1)守備重視型の考え方
すべてのベンチャー企業が同じわけでは決してありませんが、どちらかと言えばハイリスク・ハイリターン型の意思決定をする企業が多いのがベンチャー企業の一般的傾向です。部署によりますが、一般的にリスク回避型の思考習慣があるとカルチャーフィットが難しいかもしれません。
2)スケール重視
大企業での仕事経験が長いと、どうしても仕事で生み出せる規模の大きさにこだわりたいという方もおられます。特に新領域でチャレンジするベンチャー企業では、規模よりも先進性が重視されることも多いので、ミスマッチになる可能性があります。
3)予定調和志向
計画的に物事を進めたい、不確定の業務は性格的に合わないという人には、成功の方程式やビジネスモデルが「型化」されていないベンチャー企業は不向きかもしれません。
4)組織内利害調整が強み
大規模な組織で仕事をしてきた人の中には、利害が対立する組織にあって、うまく意見調整をして、壁を取り払っていくのが自分の強みという人は少なくありません。ただ、その強みを生かしていきたいとなると、ベンチャー企業との相性はあまりよくないといえると思います。
5)経験集積型
ベンチャー企業における仕事の進め方の特徴はトライアル&エラーを重ねながら、正解を探り続けていくところにあります。経験を積み上げて熟練していく仕事とは根本的にタイプが異なります。
ベンチャー企業への転職で成功するためには
事前の企業研究の段階で、業種や事業内容から、自分自身が成長できそうな環境があるかどうか、自分のスキルや経験が生かせるかは念入りに確認しておきましょう。具体的には、経営方針、サービス・商品の優位性、直近数年間の業績、中長期の成長戦略などは最低限押さえておきたいポイントです。
ベンチャー企業といっても、経営者の考え方、事業内容、組織風土は一社一社全く異なります。業界経験や職務経験がマッチしていても、つくりたい世界観や価値観が合わなければ、やりがいにも大きなマイナスになってしまいます。
納得できる転職にするためには、できる限り多くの人に会って、会社の雰囲気を知ることが重要です。在職者や退職者が書いたクチコミ情報なども、必ずチェックしておきたいところです。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
