若手コント師のザ・マミィ 体を張る企画でも存在感

日経エンタテインメント!

日経エンタテインメント!

2020年からテレビ朝日で始動した、不定期放送の2本のコント番組『お助け!コントット』と『東京 BABY BOYS 9』に、ゾフィー、ハナコ、かが屋と共にレギュラーメンバーで出演しているザ・マミィ。世代としては「第7世代」に当たり、コントを得意とするコンビとして一目置かれている。最近は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『バナナサンド』(TBS系)などのバラエティでも活躍するようになった。

林田洋平(左)92年9月生まれ、長崎県出身。酒井貴士(右)91年6月生まれ、東京都出身。酒井は『アメトーーク』の「運動神経悪い芸人」に仲間入り。ゾフィーと新ネタライブ「ZOMMY+」を定期的に開催。『ザ・マミィ Official YouTube Channel』更新中。プロダクション人力舎所属(写真:橋本勝美)

代表的なコントは、酒井貴士演じる霊能者・松ノ門と、死んだ“クソ親父”を降霊させて復讐しようとする青年(林田洋平)のやりとりで笑いを誘う『松ノ門』。19年のお笑いコンテスト『ツギクル芸人グランプリ』では、最終決戦でこのネタを披露し、優勝を果たした。

共に子どもの頃からお笑い好きで、「初めてお笑いを認識したのは、小学生のときに見た『笑う犬』シリーズ。芸人さんではおぎやはぎさんがずっと好きで、出ている番組は追いかけてました」(林田)、「小学4年生のときから毎週見ていたのが『爆笑オンエアバトル』。通信教育で届いたビデオテープのツメをセロハンテープでふさいで録画して(笑)。レジェンドだと、やっぱり志村けんさんの“バカ殿”が大好きでした」(酒井)と語る。

ゾフィーの上田が仲介者

結成は18年。15年にプロダクション人力舎のスクールJCAで出会い、16年にトリオ・卯月を組むことになった。「養成所時代から酒井はコントで目立つ存在で、ライバルとして意識していたんですが、自分のコンビが解散したときに声をかけてくれて、酒井のコンビに自分が加わる形でトリオを組みました」(林田)。「最初に僕らが組んでいたコンビは、ネタの中身がなかったので、大きい脳みそが欲しいなと思って」(酒井)

卯月は結成2年目にして『キングオブコント』の準決勝に進出するなど早くから注目されていたが、方向性の違いにより解散。その翌月に改めて、林田と酒井のコンビとして再出発した。

新コンビ結成の瞬間は、恋の告白のようだったという。「怖くて言い出せず、ゾフィーの上田(航平)さんに間に入ってもらって酒井を呼び出したんです」(林田)、「これ、ずるいんですよ。林田さんが呼び出したくせに、モジモジして自分からは何も言わない。『酒井君はどうしたいの?』って上田さんが聞いてきたから、『一緒にやりたいです』って告らされて。そのあと感極まって、なぜか3人で泣きました(笑)」(酒井)

(写真:橋本勝美)

日頃のネタ作りは「各々溜めておいて、案出しの日に持ち寄る感じ」(林田)で、「こんなのどう?って見せ合うんですけど、採用率でいったら林田9の酒井1ですね。1はあるんで、そこは強調しておきたい(笑)」(酒井)とのこと。

コント一筋の2人にその魅力について尋ねると、「日常だと目立ってしまうような変な人でも、コントの中に落とし込むと面白く見えて、みんながそれを受け入れるところ。優しさがあふれている世界だから居心地がいいのかも」と林田。酒井が「僕にとっては新しい自分になれるのが魅力」と話すと、「確かに。コントを作らなかったらいなかったはずの新しい人に会えるのも大きい」と付け加えた。

目指す芸人像は、「バナナマンさん、東京03さんみたいに、ホームとしてコントライブがあって、テレビに出ている人になりたい」と林田。酒井は芸人が珍競技に挑戦する『シタランドTV』(テレビ朝日)に出演しており、「最近はドッキリとか体を張る仕事が増えてきたんですが、僕としてはワードで刺せる芸人が理想。博多大吉先生みたいにサラッと面白いことを言える人になりたい」と、自身の打ち出したい方向と、等身大のキャラクターにギャップがある様子だ。

目標に近づくためにも21年は正念場の1年となりそう。「やっぱり『キングオブコント』で優勝したいです。一気に地位を確立するくらいの感じでいきたい」(林田)、「僕らのことを知らない人も多いと思いますが、今年は子どもの人気者になりたいですね」(酒井)

新世代のコント師として上昇気流に乗る、2人の飛躍に注目だ。

(ライター 遠藤敏文)

[日経エンタテインメント! 2021年2月号の記事を再構成]

エンタメ!連載記事一覧