若い世代を代表するアーティストの2人、ビッケブランカと岡崎体育がコラボシングル『化かしHOUR NIGHT』をリリースした。作曲と編曲をビッケブランカ、作詞をビッケブランカと岡崎体育が共作したアップテンポな楽曲は、ゲームがモチーフになっている。ふだんから同じオンラインゲームを楽しんでいるという2人に、ゲームの楽しみ方や音楽への影響などを聞いた。
――2人の出会いもゲームだったそうですね。
ビッケブランカ(以下、ビッケ) 『フォートナイト』というゲームです。それまでは、お互いあいさつするぐらいで話したこともなかった。僕がキャンペーンで京都のラジオ番組に出演していたとき、体育さんのディレクターを通じて同じゲームをやっていることを知って、プレイステーション(PS)のフレンドIDを交換したのが4年前。それから一緒にチームで戦ったり、お互いのチームで対戦したり。
岡崎体育(以下、岡崎) 当時は2人ともPS4だったけど、ビッケさんはPCゲームに移行したので、あまり一緒に遊べなくなった。でも最近はクロスサーバー(クロスプラットフォーム)のゲーム(※異なる環境でも遊べるオンラインゲーム)が増えてきたので、また一緒に遊べるようになりました。
――ゲーム上の2人のキャラは?
ビッケ もともと正義感が強いんですが、ゲーム上ではさらに増幅されるようです。この前、体育くんと遊んでいたとき、彼が敵から攻撃されて「なぜ俺は守れなかったんだ!」と本気で叫びましたからね。
岡崎 友達と一緒にオンラインゲームをやると、マッチング検索に時間がかかります。そのとき、自分のパーティーチャットが無言になると気になって。思わず「今、何食べてるんすか」なんて聞いたりして、なんとか場をつなごうとしてしまう自分に気づきました。
――生活のなかで、ゲームはどういう役割を果たしていますか。
ビッケ 僕は、ゲームの世界と現実の世界ははっきり分かれていて、一日のなかで何度も行ったり来たりしている感じ。
岡崎 僕も同じです。仕事は仕事でちゃんとこなしているし、ゲームでストレスを解消している。ゲームのおかげで、心のバランスが保てている部分はあると思います。2019年、東京に引っ越してきて地元を離れたんですけど、ゲームのおかげで今でも大阪の友達と一緒に遊べているし、東京の友達もできた。コミュニケーションの幅は広がっているので、ありがたいです。
ゲームが音楽の可能性を広げた
――アーティストでゲームをやっている人はほかにもいますか。
岡崎 多いですよ。前からやっている人もいるし、コロナ禍になって始めた人もいる。もともとアーティストはのめり込みやすいタイプが多いから、好きになるとどんどんハマっていく。一緒に夜中まで遊んでいる友達もいますが、一様に「ゲームがなかったらあとアルバム3枚ぐらいできたな」って言っています。
でも、僕はゲームが音楽を邪魔しているとは思わない。むしろ音楽にも役に立っています。ゲームをやっていたから、ビッケさんやw-inds.の橘慶太さんとコラボすることができた(KEITA『Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育』)。ゲームを通じて、僕の音楽の可能性が広がっているということを実感しています。
――今と昔を比べて、オンラインになったことでどこが変わったと思いますか。
ビッケ 昔は自宅に友達を呼んで格闘ゲームをしていたんだけど、今はそれをオンライン上でやっている。実際にやっていることは同じなんだけど、別々の場所にいるんですよね。
岡崎 昔はみんな、放課後に家に帰ってすぐランドセルを放り出し、お金持ちの友達の家に走ったもの。でも今は、そんな必要はない。自宅にいながらにして、友達と一緒にゲームで遊べるんですからね。ちょっと寂しいような気もしますが、それはそれでいいのかなと。
