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バレー柳田選手 海外武者修行で学んだ前向きマインド

一流アスリートの自己管理術(中)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

跳躍力を生かした強烈なジャンプサーブやスパイクが魅力の柳田将洋選手。春高バレー(全国高等学校バレーボール選抜優勝大会[注])で全国制覇を果たし、サントリーサンバーズでは最優秀新人賞を受賞するなど常に国内のトップレベルを走ってきた。2016年のリオデジャネイロ五輪への切符を逃したのをきっかけにプロに転向し、ドイツやポーランドに渡って武者修行へ。英語を話せないままたった一人で海外のチームでプレーした柳田選手。だからこそ、勝敗を分ける外国人選手と日本人選手のメンタルの違いに気づいたといいます。

成果主義だからこそ、自主練習の意識が変わった

――2016年のリオデジャネイロ五輪への切符を逃したことが背中を押して、ドイツやポーランドといった海外で挑戦されます。日本のチームや選手と比べて、一番驚いたことは何ですか?

日本よりも成果主義だと強く感じました。僕は練習後の自主練習を大切にしていますが、自主練習をしていようがしていまいが、そんなことは評価の対象外。本番の大事なところでいかに結果を出せるかでストレートに評価が決まります。これが真のプロの世界だと。だからなおさら、自主練習は本当に大事だと再確認し、もっと大切にしようと思いました。海外でプレーしたからこそ得た気づきでした。

――自主練習の成果を、ここ一番で発揮させるにはどうしたらいいでしょうか?

以前は、「不安だからとりあえずボールに触っておこう」という感覚で自主練習に取り組むこともありましたが、その「とりあえず自主練習しよう」という意識がなくなり、試合本番をイメージしながら練習するようになりました。「試合で生かすために、こういうシーンの練習をしよう」といった目的を決め、なるべく試合に直結するようなプレーに集中します。同じ練習でも意識を変えたことで、以前より本番で生きるプレーにつながっていると思います。

――チームプレーはよりコミュニケーションが大事だと思います。言語が英語になってやりづらくなかったでしょうか?

海外でプレーした当初、僕は英語が全く話せませんでした。コミュニケーション手段がない状態のまま海外に渡ったことには少し戸惑いはありましたが、そんな心配は杞憂(きゆう)に終わりました。チームの仲間が僕の拙い英語での意見や動きをすごく尊重してくれて、理解してくれようとするんです。いろんな国、言語、価値観の人々が集まっているからかもしれませんが、相手に対して尊重の意識を持って会話しないと、真意がうまく伝わらないとも感じました。

日本にいると、言葉が伝わるのが当たり前で、人と向き合ってどうやって伝えようかなどと意識して考えることなどありませんでしたが、海外でコミュニケーションツールが初期化されたからこそ、「どうやって伝えよう」「どうやって相手の意見に反応しよう」などと、一生懸命考える機会になったのかなと。コミュニケーションや人を尊重することの大切さを学び、戻って日本チームでプレーすれば、もっと相手にうまく伝えられるんじゃないかとも思いました。スポーツも仕事も何でもそうですが、相手を尊重することはすごく大事で、その人間性によって良い人間関係が生まれて、チームワークにもつながるのではないかと。

[注]現在は全日本バレーボール高等学校選手権大会

コートの中と外との線引きがはっきりしている

――実際に「相手を尊重すること」が、チーム力につながっている実感はありましたか?

そうですね。プレーでうまくいかなかったことがあると、試合が終わっても人間関係がギクシャクする場合がありますが、僕が所属した海外のチームでは、試合中にプレーのことで仲間と熱く言い合いになっても、コートの外に出れば、拍子抜けするほどわだかまりなく、普通に話している。そこの線引きがすごくはっきりしていました。プレーに対して意見したり怒ったりするけど、決して相手の人間性を否定しているわけではないんですね。

――つまり海外選手の方が、オンとオフがはっきり分かれているイメージ?

言い換えれば、結構な楽観主義なんだと思います。「さっきまでプレーのことですごくエキサイトしていたのに、試合が終われば何もなかったように普通に話しかけてくる……」と驚くことも多々ありましたが、それこそ僕の主観でしかないわけです。海外ではそれが当たり前だから。性格が悪いからプレーが悪いわけではない。プレーと人間性は関係ないと思っているから、コートの中で討論しても、コートの外に出れば普通に話ができるのだと思います。3シーズン海外でプレーしましたが、どのチームでもそうでしたね。

――それは、強いチームの共通点と言えますか?

それも共通点の一つじゃないでしょうか。例えば、連敗するということは、負けや失敗を引きずって自信を喪失するなどで、チームの士気が落ちていることも原因だと思います。そんなとき、次の試合で勝つためにどんな準備が必要でしょうか? 「気持ちの切り替えやリセット」と答える人は多いと思います。「まず、気持ちをリセットして、次のことだけを考えよう!」と、意識的に目線を過去から現在や近い未来に変える。でも海外の選手は、そんなことをしなくてもコートの中と外で気持ちがナチュラルに切り替えられるので、それは強みですよね。そんな外国人に比べると、日本人はリセットが得意ではないように思います。

あと、外国人選手は考え方がシンプルだなと思いました。

―――考え方がシンプルとは?

僕らは……とひとくくりにするのも変ですが、失敗したらそこにフォーカスして、「次も失敗したらどうしよう」などと落ち込む人が多いと思うんです。失敗という事実を、失敗ベースで発想してしまう。一方で、僕が一緒にプレーした外国人選手たちは、失敗に対してネガティブな発想をあまり持たない。「調子が悪いだけだよ、調子が上がったら勝てるし」と、とにかくポジティブで、「失敗は成功のもとだ」ぐらいの前向きなマインドで試合に挑んでいる感覚があります。

でも決して失敗したというネガティブな事実を見て見ぬふりしているとか、忘れているわけではなく、「失敗があって成功する」という部分にフォーカスしているんです。だから過去にとらわれず、新たな気持ちで次のプレーに集中できるんだと思います。同じ現実でもどちらにフォーカスするかで、メンタルの振れ幅が大きく変わるんだろうなと。それを彼らは当たり前のようにできていることがすごいと思いますし、「自分もそうしていいんだ」という感覚を、特に海外でプレーした最初のシーズンに覚えました。

――柳田選手はもともとネガティブだったんですか?

いつまでもうじうじするタイプではないですが、「ああ、あのときこうしてれば……」と思っていたので、ネガティブ感情がゼロではなかったです。外国人のチームメイトのように、ポジティブな発想の人が周りにあまりいなかったこともありますし。

だから、外国人選手と一緒にプレーして、最初は「ミスしてすぐに失敗は成功のもとだなんて言うのは駄目でしょ」と思っていたんです。「もっと失敗に向き合ってくれないと困る」と。

でも外国人のフォーカスの視点を見ていて、僕もまねして自由に発想することにしました。すると、ストレスがたまりにくく、前に進める感覚がちょっとずつ出てきて、「この思考は自分にとってプラスにしかならない」と気づきました。負けてすごく落ち込むこともなくなり、「今、この瞬間」に集中できるようになりました。

――試合中のメンタルの振れ幅が小さくなった感覚ですか?

はい。もちろん、経験やキャリアによるものもあると思いますが、こうしたマインドセットの方が試合では効いているのかなと思います。

メンタルトレーナーなど専門家から学ぶことも大事ですが、僕自身は国内外でプレーする中での様々な出会いによって新たな気づきをもらうことができました。チームメイトがメンタルトレーナーのような存在だったと思いますし、人との出会いが自分を形成していくのだと思います。

―――海外で学んだメンタル面などについては、全日本チームが五輪で勝つ上で大切なモノだと思われますか?

もちろん思います。五輪を経験している人はほとんどいない中で、五輪で戦って結果を出さなければいけません。経験者がいないチームで結果を出すことはすごく難しいと分かっているからこそ、強い気持ちがなければ恐らく勝ちきれないと考えます。僕から見れば、全日本チームの他の代表メンバーはみんなスキルが高くセンスもいい。そうした力を一つに束ねるには、メンタル的な面がものすごく重要になると感じています。

(ライター 高島三幸)

柳田将洋選手
1992年東京都生まれ。小学1年生からバレーボールを始め、東洋高校では主将として第41回全国高等学校バレーボール選抜優勝大会優勝。慶応義塾大学在学中に全日本メンバーに招集される。サントリーサンバ―ズに入団し、2015/16 Vプレミアリーグ最優秀新人賞を受賞。17年にプロに転向し、ドイツ・ティービー・インガーソル・ビュール、ポーランド・クプルム・ルビン、ドイツ・ユナイテッドバレーズでプレー。20年サントリーサンバーズと契約。

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