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バルミューダ社長 寺尾玄氏

バルミューダ社長 寺尾玄氏

バルミューダは2019年12月期の売上高が約110億円の新興家電メーカーだ。元ミュージシャンという経歴を持つ寺尾玄社長が03年に創業した。リーマン・ショックで経営危機に陥ったものの、10年に発売した自然の風を再現する扇風機がヒットして持ち直す。その後、2万円を超える高級トースターをヒットさせるなどファンを増やした。寺尾社長は「私は先陣を切る役で、事業を維持したりするのは周りに任せる」と、切り込み隊長的なリーダーだと語る。

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――波乱に満ちた人生のようです。

「そうですかね。自分にとっては自分らしさという一本道を歩んできたつもりです。私はブレーキのない車みたいなもので、あったとしてもサイドブレーキしかありません。危ないかなと思うだけではブレーキをかけません。ブレーキをかけるのは自分らしくないなと思ったときだけです」

「私にとっての自分らしさというのは、持っている自由を使い切ることです。簡単に言うとやりたいことをやる。やりたいことがない、という人もいるでしょう。それは自分が『やれること』の中に『やりたいこと』がないだけなんだと思います。『やりたいこと』と『やれること』は本来関係ありません。あんなことができたらすごいな、というのは誰しも持っているはずです」

「後先考えずにやる覚悟があれば、一つのことは大体できます。私の人生はそれの繰り返しです。もちろん、できないこともあるし、できると思ったのにできなかったこともたくさんあります。でも、ベストを尽くしてから、できなかったって言うようにしています」

「できないと思ったらやらないのが普通の人の考え方でしょうが、私は『やれないこと』とは思わないんです。多分、それがこの会社がある理由だし、スタッフを率いている大きな理由の一つだと思います。自分で試していないことをできないと宣言して、自分の可能性を否定するのは絶対に嫌なんです」

中学時代に亡くした母に学ぶ

――そう考えるきっかけになった体験はありますか。

「一番強烈だったのは、私が中学生の時に母が亡くなったことです。母は泳げないのですが、海外で仕事をした帰りにビーチでシュノーケリングをして溺れてしまったんです。すごくショックでしたが、私は『できるかできないかは関係なく、やりたいことをやった母の根性はすごいな』と受け止めるようにしました。きっと海がきれいで入りたくなったんです。『本当にやりたいことはやれるかどうかなんて二の次、やっていいんだよ』と教えられた気がしました。その教えに基づいて生きています」

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