Men's Fashion

ジャケパンにつけたい時計 「伝統」際立つ傑作5本

時計

ファッションの目利き5人が認める名作(中)

2021.2.18

MEN'S EX

ファッション業界の時計好き5人に、時計ブランドの新作&定番から、“コレは本当に欲しい”という一本を選んでいただく特集。「スーツ用」「ジャケット用」「カジュアル用」の3つのカテゴリーのなかから、今回は「ジャケット用」をお届けしよう。




品評するのはこの5人!

写真左から

■ソブリン ブランドディレクター 太田裕康さん 1969年生まれ。UAを代表する洒落者のひとり。パテック フィリップやオーデマ ピゲなどを愛用。

■ビームスF ディレクター 西口修平さん 1977年生まれ。SNSでは時計関連のポストも多数。古き良きヴィンテージ時計を特に愛好する。

■スピラーレ 代表取締役 神藤光太郎さん 1974年生まれ。自身のYouTubeでも熱い時計愛を披露。現行からヴィンテージまで広く所有。

■ストラスブルゴ 銀座店 セールスエキスパート 櫻井辰也さん 1973年生まれ。新作時計情報にも精通。接客時、顧客と時計の話で盛り上がることもたびたび。

■トゥモローランド バイヤー 神谷真太郎さん 1983年生まれ。店舗で展開するヴィンテージ時計のセレクトにも携わり、独自のセンスを発揮。

西口さんの“コレが欲しい!”

CARTIER(カルティエ)「タンク アシメトリック」

(C) Cartier

右に傾いた文字盤は、1936年に誕生したアーカイブから復刻したもの。「最高峰ジュエラーでありながら、機械式時計作りにも本気で取り組む姿勢がカルティエの魅力。美しさと本格を兼備した時計です」(西口氏)世界100本限定。手巻き。47.15×26.2mm。プラチナケース。328万8000円(カルティエ カスタマー サービスセンター)

◇   ◇

「欲しい!の一言。’30年代を復刻したスタイルが素晴らしい」

西口修平さん

《こう着けたい!》

凛々しい紺ブレをしっかり洒落込んで合わせたい

「ノータイスタイルも合いますが、しっかりとめかし込んだドレスアップにも映える時計。今回は英国調を意識しつつ、厳格なイメージのブレザースタイルでスタイリングしました。服装は凛々しく、手元で抜け感をプラスしています」

(C) Cartier ジャケット8万9000円、シャツ1万5000円、チーフ5500円/以上ビームスF、タイ1万円/アスコット、パンツ3万8000円/イガラシ トラウザーズ、ソックス1500円/ブリッラ ペル イル グスト、靴9万9000円/ジョージ クレバリー(以上ビームス ハウス 丸の内)

太田さんの“コレが欲しい!”

AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)「ロイヤル オーク オートマティック」

現行モデルでは最小となる機械式ロイヤル オーク。「スポーティとエレガンスの両立という観点において、他に類を見ない時計です。凹凸をつけた『グランドタペストリー』文字盤も印象的で、嫌味のない存在感があるところが魅力的です」(太田氏)自動巻き。径34mm。PG×SSケース&ブレス。225万円(オーデマ ピゲ ジャパン)

◇   ◇

「小ぶりで上品、でも嫌味のない存在感が際立つ名作です」

太田裕康さん

《こう着けたい!》

柔らかなトーンの装いで上質&クリーンな雰囲気に

「主張あるコンビ時計なので、洋服は淡色でクリーンにまとめました。上質なベージュジャケットやオフ白ニットなどとよく合いますね。白髪の紳士が、こんな装いでヴィンテージポルシェなんかに乗って現れたら、“参りました”って感じです(笑)」

ジャケット23万円/カヴァリエッレ、ニット1万7000円、パンツ1万7000円/以上ソブリン(以上ザ ソブリンハウス) チーフ6300円/フィオリオ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)

対談(1)ジャケットに合わせたい時計は?

M.E. 西口さんが選んだのは、カルティエ注目の新作ですね。

西口 もう”欲しい!”の一言です。’30年代を復刻したスタイルが刺さりました。非対称の文字盤も、時刻を見やすくするための”用の美”。そんな物語も魅力的ですね。

太田 僕も欲しい(笑)。フレンチなムードもあって格好いいですね。

西口 今、「タンク ルイ カルティエ」を愛用しているのですが、「タンク アシメトリック」はもっとドレス寄りなイメージ。最初に買うカルティエではないのかもしれないけれど、それだけに余裕を感じさせる時計ですね。

M.E. なるほど。一方、太田さんの選択は「ロイヤル オーク」。

太田 これは34mmというサイズに惹かれました。いわずと知れた定番ですが、サイズが違うだけで印象が全然違いますよね。

西口 この小ささ、いいですよね。”ドレッシーに着けられるスポーツウオッチ”というロイヤル オークの本領は、やはり小径でこそ発揮されると思います。

太田 小さくて上品なんだけど、この美しい造形で存在感もあります。

西口 大人が行き着くスポーツウオッチはこれ、という一本ですね。