Men's Fashion

スーツにこそ合う時計 「シンプル」「品格」厳選5本

時計

ファッションの目利き5人が認める名作(上)

2021.2.15

MEN'S EX

時計とファッションを横断する、本誌初の企画が実現!服飾業界の時計好き5人が、本格時計ブランドの新作&定番をじ~っくり検分。そのうえで、「スーツ用」「ジャケット用」「カジュアル用」の3カテゴリにおける“コレは本当に欲しい”という一本を選んでいただき、さらに“こんなスタイリングで着けたい”という実例もご提案いただいた。いつもとはひと味違う、ファッション好きのための本格時計特集、まず今回は「スーツ用」をお届けしよう。




品評するのはこの5人!

写真左から

■ソブリン ブランドディレクター 太田裕康さん 1969年生まれ。UAを代表する洒落者のひとり。パテック フィリップやオーデマ ピゲなどを愛用。

■ビームスF ディレクター 西口修平さん 1977年生まれ。SNSでは時計関連のポストも多数。古き良きヴィンテージ時計を特に愛好する。

■スピラーレ 代表取締役 神藤光太郎さん 1974年生まれ。自身のYouTubeでも熱い時計愛を披露。現行からヴィンテージまで広く所有。

■ストラスブルゴ 銀座店 セールスエキスパート 櫻井辰也さん 1973年生まれ。新作時計情報にも精通。接客時、顧客と時計の話で盛り上がることもたびたび。

■トゥモローランド バイヤー 神谷真太郎さん 1983年生まれ。店舗で展開するヴィンテージ時計のセレクトにも携わり、独自のセンスを発揮。

太田さんの“コレが欲しい!”

JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)「レベルソ・トリビュート・ムーン」

ケース裏側にもダイヤルを備えた“デュオ”仕様。「様々な種類があるレベルソですが、クラシックなムーンフェイズと、ブルーをキーカラーとした文字盤に惹かれました。品格あふれる佇まいながら、程よい遊び心も備えているのが魅力ですね」(太田氏)手巻き。49.7×29.9mm。SSケース。137万円(ジャガー・ルクルト)

◇   ◇

「品格満点で遊び心もある。この歳になって再び欲しい一本」

太田裕康さん

《こう着けたい!》キリリとスーツで。ただし、胸元には遊びを加えたい

「ドーメルに別注した『ライトスポーテックス』生地のスーツでドレスアップ。ただ、適度に遊びもある装いがこの時計には似合うと思います。今回はドットが不規則に並んだタイと青地のストライプシャツでそれを表現しました」

スーツ13万円/ソブリン、シャツ3万6000円/アヴィーノ ラボラトリオ ナポレターノ(以上ザ ソブリンハウス) タイ1万5000円/フラテッリ ルイージ、チーフ3800円/ユナイテッドアローズ(以上ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)

西口さんの“コレが欲しい!”

PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)「カラトラバRef.5196R」

1930年代に誕生した「Ref.96」の系譜を受け継ぐドレス時計の王者。「究極的にシンプルであり、究極的に美しい時計だと思います。個人的には10年後、これが自然体で似合う大人になるのがひとつの目標ですね」(西口氏)手巻き。径37mm。RGケース。257万円(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)

「この名作を、気負わず サラリと着けられる 大人になりたい」

西口修平さん

《こう着けたい!》あえてノータイで気負わずに合わせたい

「ドレスアップした装いに合わせるのが正統ではありますが、それを通ったうえで、あえて少し力を抜いて着けこなせたら最高に粋だと思います。今回は上質かつスポーティなブラウンスーツとハイゲージタートルでそんな雰囲気を狙いました」

スーツ27万円/スティレ ラティーノ、ニット3万1000円/ジョン スメドレー、チーフ5400円/ブロックルハースト(以上ビームス ハウス 丸の内)

対談(1)スーツに合わせたい時計は?

M.E. 太田さんがスーツ用に選んだのは「レベルソ・トリビュート・ムーン」。少々意外でした。

太田 ポロ競技のための時計という出自からスポーティに思われがちですが、実はスーツにこそ合う時計だと思います。ケースシェイプがキリリとシャープで、重厚感があるのが一因だと思いますね。実は30代のときに「レベルソ・クラシック」を購入したことがあったのですが、年齢が追いついていない気がして一度手放しました。今の歳になって再び欲しいなと思う時計ですね。

西口 確かに、歳を重ねてこそ似合う時計というイメージですね。

M.E. そんな西口さんが選んだのは、王道の「カラトラバ」ですね。

西口 人生でいつかは手に入れたい一本ですね。これをお手本として様々なドレス時計が生まれましたが、やはり原点は唯一無二。ある意味リーバイス501のような超越性を感じます。

太田 シンプルでいて、すべてのディテールが完成しているんですよね。孫の代まで受け継げる絶対的な信頼感があります。

西口 個人的には、あえてノータイで合わせたい時計ですね。50代、60代になったとき、こんな風にサラリとカラトラバを着けられるようになれたら最高だと思います。