『ここ倫』山田裕貴 芝居力で戦ってきた自負がある

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オファーは基本「断らない」方針で経験を積み、若手俳優のなかでも群を抜いて出演作品数の多い山田裕貴。近年は、2018年にシリーズものの『特捜9』(テレビ朝日系)メンバーに選ばれたほか、朝ドラ『なつぞら』(19年)でヒロインの幼なじみの和菓子屋の息子・雪次郎を好演し、知名度が全国区になった。飛躍のときを経て、20年は1月期に、『SEDAI WARS』『ホームルーム』と、連ドラ2作に同時主演。10月期には『先生を消す方程式。』で狂気の演技を見せ、大きな話題となった。

1990年9月18日生まれ、愛知県出身。11年『海賊戦隊ゴーカイジャー』で俳優デビュー。21年は、映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(5月)、『東京リベンジャーズ』(7月)、『燃えよ剣』(10月)が公開予定(写真:橋本勝美)

21年は、新型コロナの影響で延期になっていた、映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』や『東京リベンジャーズ』などが公開に。まずはそれに先駆けて、1月から連ドラ2作品がスタート。『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(フジテレビ系)では、主人公の嶋田(藤原竜也)の相棒となる後輩刑事・三枝役を務め、『ここは今から倫理です。』(NHK総合)では、倫理の教師役で主演している。

「青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―」  学校内警察制度を導入した赤嶺中学校に配属された嶋田(藤原竜也)が、世間を騒がせる学校内のトラブルに対処していく。山田は嶋田から舎弟のように扱われる生活安全課の刑事役。放送中/火曜21時/カンテレ・フジ系

「『青のSP』は昨年の10月初旬までに全部撮り終わりました。三枝は、藤原さんふんする先輩刑事に無理難題を押し付けられて、『えーっ!』って言いながらも従うっていうキャラクターです。これが、シリーズで毎年やらせていただいている『特捜9』の、新藤役と設定が似てて。ちょっと『どうしよう……』と思ったんですよね。役回りは一緒でも、違う人間を表現しないといけない。僕、見ている方1人にでも『なんか同じじゃん』って思われたら嫌だと思って。監督には何度も相談させてもらいました。同じ生意気さ加減でも、真面目すぎるからそう見えてしまうのと、物怖じしないヤンチャな感じとでは違うから、そういう微妙な演じ分けを気にしてはいました。

でも実際に撮影に入ってからは、藤原さん演じる嶋田さんのリズムに素直に乗っかったら、すごく面白くて。考えすぎず、生でやっている感覚を大切に、セッションだと思ったほうがうまくいきました。たまたま、『特捜9』と共通のスタッフさんも現場にいたんです。そのスタッフさんが『あ、やっぱり新藤とは違うね』って言ってくれたときは、安心しました」

朝ドラ監督と主演作で再会

「『青のSP』はシリアスな場面が多くて、嶋田さんも淡々と業務をこなすクールなタイプ。だから、三枝が出てきたら、ちょっとホッとできる、笑える時間を作りたくて。“三枝ほっこりタイム”というか。へへ(笑)。藤原さんのセリフ回しや、キャラクターの作り込みの深さはすごくて、やっぱりリスペクトしますね。どんな芝居をしても、藤原さんが返してくれるからこそ、台本にないことも言えたり、三枝として、楽しんでその場にいられました。

『ここは今から倫理です。』は、本当にいい話です。毎話、響く言葉ばかり。最初、マネジャーさんから『裕貴、ちょっとこれ読んでおいて。まだ決まってはいないんだけど』って、原作マンガを渡されて。とにかく面白かったから、『もしまだ分からないんだったら、やりたいです、とお伝えしてください』とお願いしました(笑)。これもご縁で、演出の渡辺哲也監督は、『なつぞら』でご一緒していたんです。

自分はバラエティとかで頑張っちゃうんで、弾けて見られがちですけど、本来は1人で考えることが好きで。だから、倫理教師の高柳には共感してます。素敵な先生になりたいと話す、いじめられっ子の生徒に言う、『じゃあ、あなたはなってください、いじめっ子もいじめられっ子も救える先生に』とか、印象的なセリフが多くて。高柳自身のキャラクターは、何を考えているか分からない感じで、難しいんですけど。魅力的な先生を演じられるので、楽しみです」

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自分にしかできない表現を
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