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Voicyの緒方憲太郎代表は公認会計士から転じて起業した

Voicyの緒方憲太郎代表は公認会計士から転じて起業した

新型コロナウイルス禍で在宅時間が増えたことなどを背景に、音声コンテンツ市場は「ながら聞き」需要を取り込んで勢いを増している。2016年に音声配信のサービスを開始しユーザー数を伸ばしているのが「Voicy(ボイシー、東京・渋谷)」だ。個人や企業など様々な話し手による音声番組をネット配信している。緒方憲太郎代表が目指すのは「しゃべりのエンターテインメント化」。そのこだわりの原点とは――。

(下)画面から耳へ 「声の配信」で挑むスマホの次の時代 >>

朝の身支度の最中、電車や徒歩での移動時間、在宅勤務の合間……。別の作業で手がふさがっているときでも、耳だけ傾ければ情報収集したり、気分転換できたりするのが音声コンテンツの便利なところだ。

ボイシーはニュースや語学、料理、旅行など、様々な分野の音声番組を500チャンネル以上もそろえている。ウェブブラウザーやスマートフォン用アプリからアクセスし、基本的には無料で聞くことができる。

ブログやツイッターなど文字によるやり取りを基本にしたサービスとは異なり、「パーソナリティ(話し手)」の語り口から、人柄や温かみを感じられる。コメント欄を通じて、パーソナリティとリスナー(聞き手)が双方向でコミュニケーションできる機能もある。

20~30代のビジネスパーソンを中心に、仕事に役立つ知識の習得やスキルアップ、情報収集につながる番組が好評を博し、毎週ボイシーの番組を聞く人の数は20年、19年比で4倍に急増した。

海外で浸透するポッドキャストなど類似サービスとの大きな違いの一つは、パーソナリティが同社による審査制であることだろう。1週間に200~300人の応募があるが、通過率は1%前後だという。一般の会社員や学生も配信しているが、人気ランキングには芸人で絵本作家の西野亮広さん、ブロガーのちきりんさん、脳科学者の茂木健一郎さんなど著名人が名を連ねる。

「日本の音声コンテンツ市場は、海外と比較して成熟していない。審査を入れなければサービスの規模自体は大きくなるでしょうが、質の低いものも含めた有象無象の音声が生活に流れ込んでくることになる。それは、聞き手にとっていい体験にならないと考えました」と緒方氏は理由を説明する。

声で、「しゃべり」で、活躍するスターを生み出したい。価値あるコンテンツで「しゃべり」の魅力を知ってもらい、文化として育てていきたい――。そのこだわりは「僕が根っからの関西人だから生まれたのではないか」と語る。

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