企業幹部コーチが説く コロナ禍を生き抜く「話し方」三省堂書店有楽町店

1階の新刊ビジネス書コーナーの平台に手書きPOPを立てて展示する(三省堂書店有楽町店)
1階の新刊ビジネス書コーナーの平台に手書きPOPを立てて展示する(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に1度訪れる準定点観測書店の三省堂書店有楽町店だ。緊急事態宣言が出たあとも土曜日に来店が集中する傾向が続いている。在庫確認をして来店するなど、短時間で書籍購入を済ませる客も増えている。そんな中、2020年11月からランキング上位で売れ続けているのは、エグゼクティブ向けの話し方コーチとして豊富な実績を持つ著者が話し方のルールをわかりやすく伝授する一冊だった。

千人以上の企業幹部を指導

その本は岡本純子『世界最高の話し方』(東洋経済新報社)。副題には、《1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた! 「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール》とある。著者は10年間大手新聞社で記者を務めたあと、リーダー向けのメディアトレーニングに携わるようになり、その後渡米してプレゼンコーチや研究者らコミュニケーションのトッププロから世界水準の話し方を学んで本格的に「話し方の家庭教師」を始めた。それからおよそ10年、教え子の企業幹部の数は千人を超えるという。

新聞記者時代の「言語化力」「表現力」に、米国のトッププロ仕込みの「パフォーマンス力」「科学的知見」を組み合わせて生まれたのが岡本氏の「話し方スキル向上メソッド」というのが本書の触れ込みだ。これを50のルールにまとめている。

50のルールは話すシチュエーションごとに7つの章に分けて示される。最初は雑談・会話のルール。「会話の内容」は忘れても、「印象・気持ち」はずっと残る(ルール1)、「おれすごいぞ」ではなく、「あなたはすごい」を伝える(ルール8)など、示されるメソッドはきわめて具体的だ。こうしたルールをトヨタ自動車の豊田章男社長やソフトバンクの孫正義氏、アップルのスティーブ・ジョブズ氏ら著名トップリーダーの事例を交えつつ語る。雑談の次はほめ方・叱り方のルール。そこから「説明」「共感される話し方」「説得」「プレゼン」「魅せ方」と章が連なる。

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