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土岐泰之・ユニファCEO

土岐泰之・ユニファCEO

ITを活用した保育支援サービスを手掛けるユニファ(東京・千代田)最高経営責任者(CEO)の土岐泰之氏(40)。「スマート保育園」という新しいビジネスモデルを打ち出し、世界から注目される有望スタートアップだ。土岐氏は中高一貫の進学校では「九州の御三家」と呼ばれる青雲中学・高校(長崎県時津町)の出身。九州発の熱い起業家は母校でどんな体験をし、何を学んだのか。

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2017年3月、日米欧などの1万社以上が参加し、米サンフランシスコで開催された「第1回スタートアップワールドカップ(W杯)」で優勝した。

「よっしゃ、賞金1億円!」。優勝したことを知った妻は大喜びしました。13年の起業時に金銭面を含め何かと苦労をかけてきたので、当然の反応。しかし、私に直接おカネが入るのではなく、約1億円分をユニファに出資してくれるのだと分かり、少しガッカリしたようです。

ただ、このW杯で米アップル共同創業者だったスティーブ・ウォズニアックさんから「スマートチャイルドケアなんて面白いコンセプト。0歳児のバイタルデータを持っている会社なんて世界にもない」と高く評価されるなど、ユニファは一躍注目企業の仲間入りを果たしました。

米欧でも保育施設はアナログの世界ですが、ユニファはデジタル技術を使った保育支援サービスを次々打ち出しています。全国で50万人超が保育士として働いているといわれますが、慢性的な人手不足に陥っています。一般の方が想像している以上に保育が過酷な仕事だからです。

例えばお昼寝の時間になると、保育士は5分おきにどんな向きで幼児が寝ているのかをチェックして、手書きで一つ一つ記録しなくてはいけない。うつぶせ寝による窒息死を引き起こす懸念があるからです。このためユニファでは乳幼児の肌着に独自開発したセンサーを装着し、危ない姿勢になった時にアラートの鳴るシステムを提供しています。

もちろんIoT(モノのインターネット)で乳幼児の体の向きなどのデータは自動的に収集されるので、手書きで記録する手間も省けます。しかも各種データを常時収集できるため健康や体調の管理に役立ちます。オンライン診療とつながれば、すぐに医師の診断をあおげるし、データで発育の状況を把握すれば、今後の幼児教育支援につなげられるわけです。

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