流行乗らない新型レヴォーグ 栄冠は生真面目さに輝く

2020年10月に発表された2代目レヴォーグ。初代はボディーサイズが大型化したレガシィの国内における事実上の後継モデルとして14年に登場した

2020年に最も印象に残ったクルマはSUBARU(スバル)のレヴォーグだった、と小沢コージ氏。12月に発表された「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」でも、ホンダのフィットやトヨタのヤリスといった強豪を押しのけ、見事栄冠に輝いた。SUV(多目的スポーツ車)全盛の今、一見クラシックなワゴンスタイルをとるレヴォーグのどこがすごいのか。小沢コージ氏が解説する。

時流に乗らず、ステーションワゴンで勝負

20年に印象に残った新車を振り返ってみると、ポルシェ初の本格ピュアEV(電気自動車)「タイカン」やスーパー実燃費コンパクトのトヨタ「ヤリス」などがあるが、一番はスバルの新型レヴォーグかもしれない。確かに「2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」も取った人気モデルだが、その構成を見るとあまり時流に乗っているとはいえない、アウトオブトレンドなクルマにも見える。

まずステーションワゴンというカテゴリーが結構なオールドファッションだ。日本でステーションワゴンが流行したのは初代スバル・レガシィ発表直後の1990年代で、いまや世界的トレンドは背高ノッポのSUVに移っている。もちろんSUVより空気抵抗が少なく、セダンよりラゲッジスペースがかせげるステーションワゴンは今でも存在価値があると思うが、はやりとは言い難い。

同時に、これも昔ほど注目されてはいないが、燃費スペックもさほど良くない。スバル肝いりの完全新作エンジン、直噴1.8リットルのフラット4ターボを搭載するものの、車重が1.5トン台ということもあってかWLTCモードで最良13.7km/リッター。サイズは違うがヤリスハイブリッドの半分にも届かないし、何より、この時代になってもハイブリッド仕様が用意されていない。見ようによっては、イマドキ洋楽やらヒップホップが当たり前になっている中、いまだにフォークソングで勝負しているような感じすらある。

流行のSUVではなく、空気抵抗や走りの面で有利なステーションワゴンを貫く。スタイルはより洗練され、エクステリア、インテリアとも質感の高さに驚く
ベーシックグレードの「GT」は310万2000円(税込み、以下同)、GTにアイサイトXを搭載した「GT EX」は348万7000円。電子制御ダンパーや本革シートを標準装備したトップグレードの「STI Sport EX」は409万2000円
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クルマとしての基本性能が秀逸
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