――おすすめポイントは。

いで「着るよりも肩に掛けた方が実用性があるんですよ。きょうみたいなセットアップの格好でもグレーの差し色になる。鮮やかなグリーンは、リモートワークのときに、好感度が上がる色。テレカンで『映え』ます」

――ラムズウールやシェットランドセーターだと暑いですものね。

いで「実は、この薄いカシミヤですと、小道具としても4月くらいまで使えます」

石津「ラングラージーンズなどをやっていた僕の弟、石津祐介が好きなスタイルがまさにこれ。コートを着ないでセーターを肩にかけて。きょうは僕もツイードのジャケットを着てその上にケーブルを肩掛けする予定だったんです(笑い)。偶然だね」

「偶然、僕もカシミヤのケーブルニットを選んだ。肩掛けしなくてよかった」

ノータイ・カジュアル シャツでおしゃれに

――リモートスタイルでは昨年、シャツが注目を浴びました。

いで「シャツを何点か持ってきました。まずこちらのギンガムチェックのシャツはロンドンのターンブル&アッサーのドレスシャツです。僕が憧れた高田賢三さんが、私服でここのシャツを愛用していて、(襟の形を整える)カラーキーパーも抜いて、ノリもとって、普通のボタンダウンシャツのように着ていました。それを習って、僕も洗いざらし、ノータイで着ています。次はこのバンドカラー(立襟)のシャツ。5年前くらいに買ったエンジニアド・ガーメンツのものです。昔はダサいと思っていたバンドカラーですが、最近ではセーターに合わせる着こなしもあるんですよね。カットソーのように」

ラルフ・ローレンのケーブルニット(左)とターンブル&アッサーのシャツ

――エンジニアド・ガーメンツはアメリカでも人気の鈴木大器さんのブランドですね。ワークウエア仕様がカッコいいですね。バンドカラーは、デザイン性のあるカジュアルシャツとして人気のようです。

石津「アメリカの建国当時のカウボーイなんてみんなこれだもんね。作業着だから、本来は襟が取り外しになっていて、消耗した襟を付け替えていたの」

バンドカラーのシャツも元々は作業着。「取り外しできる襟があったのです」と石津さん

いで「もう一つ、映画『ラ・ラ・ランド』の主人公を演じるライアン・ゴズリングのような着こなしがしたいと、昨年、オープンカラーのマドラスシャツを手に入れました。マドラスだけどオープンカラー。いま、オープンカラーもはやっていますよ」

――ノータイ、カジュアルシャツで仕事をするスタイルも定着しました。

マドラスチェックのシャツはクラシックスタイルに

いで「石津さんの首元、アスコットタイですか。いいですね。僕はアフターコロナの首元はネクタイではなく、このよう雰囲気になっていくのではないかと思っています。僕は何度やっても似合わないのだけど、アスコットタイやスカーフはあこがれます」

石津さんの首元。たまご色のセーターと呼応する黄色のバンダナを巻いている

石津「これはバンダナだけど、普通のアスコットタイより短いからほどけないように、バッジで留めています。ボタンダウンシャツの上をあけたときは、首元がなんとなくさみしいんですよ。Tシャツを見せるのは嫌だし」

日本にアメカジを広めるのに一役買った「アメリ缶」

いで「バンダナを知ったのは、VANのおかげでした。アメリカ建国200年(1976年)記念で、バンダナやジーンズが当たる懸賞をやっていたんです。大きな缶かなんかに入っていて……」

石津「これでしょう」

いで「そうそう、これです! アメリ缶! 石津さんたちが作った(東海岸のアイビーリーグの学生のスタイルを映した写真集)『TAKE IVY』も、中1の時に兄の友達の家で見せてもらって衝撃を受けて。ほんとうに影響を受けましたよね」

――次回はおすすめのアメカジスタイルをお聞きします。

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

SUITS OF THE YEAR 2020

新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。

>> 詳細はこちら

SUITS OF THE YEAR 2020
Watch Special 2021
GIFT SPECIAL 2021
SUITS OF THE YEAR 2020
Watch Special 2021
Instagram