日経エンタテインメント!

ただ、これらの“ローカライズ”のプロジェクトとNiziUには、大きな違いがある。それは、メンバーの成長を含めて誕生の過程から見せることで現地の共感を集め、ストーリーを共有することによって、より“ローカル”に深く根付かせる戦略を採った点だ。あえて自社でトレーニングを積んだ練習生限定でメンバーを選抜しなかったことは、“育成システム”にこだわりを持つJYPにとっては、大きな決断だったかもしれない。タッグを組んだソニー・ミュージックとは、2PMに始まるプロジェクトを通して、長きにわたり信頼関係を築いてきた。より現地のビジネスに精通した会社と合同でプロジェクトを推進することで、より効率的・効果的な“ローカライズ”を目指すものと思われる。

すでに一大ムーブメントの中で華々しいスタートを切ったNiziUだが、今後は具体的にどのような活動をしていくかに注目が集まる。「まずは日本で底辺を拡大させて外国に出ていくというステップを踏んでいきます」との言葉からは、まずは日本で国民的スターとしての地位を確立していくことからという、世界進出を焦らない方針も見て取れる。

もはやK-POPは“韓国発の音楽”を指す意味合いから、ジャンルの1つを指す言葉に変わってきている。K-POPの影響を受けながらも韓国人メンバーのいないグループが各国を拠点に活躍することで、K-POPは新たに大きくその世界観を広げていく。その最前線の1つを、今まさにJYPが切り開いているのだろう。

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント! 2021年1月号の記事を再構成]

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