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画像はイメージ=PIXTA

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社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

労働安全衛生法は一定の業種や規模の事業所に「衛生委員会」や「安全衛生委員会」の設置を義務づけています。働く人たちの職場での健康管理を行う「産業医」として、各社で毎月開かれる会議に出席していますが、最近の話題はもっぱら新型コロナウイルスの感染拡大です。

産業医として助言を求められる新型コロナに関する案件は主に4種類に分けられます。(1)社員が感染していた(2)社員が濃厚接触者となった(3)社員の家族が感染しているかもしれない(4)感染の有無はわからないが体調不良で社員が休んだ――といったものです。

これまで、新型コロナの感染拡大の要因のひとつとして、家庭内感染によるクラスター(感染者集団)発生が指摘されていましたが、感染者数の増加とともに職場での感染拡大が懸念されています。企業の担当者は「職場内クラスター」の発生をいかに未然に防ぐかに力を注いでいます。

次のような場合は濃厚接触者とされます。発症の2日前から、マスクを着用しない状態で、1メートル以内の距離で、15分以上の接触があった――。これを踏まえると、家族はみな濃厚接触者となる恐れがあり、これまでのところ、会社に報告された感染者の多くはこうした家庭内感染によるものでした。

家庭で感染者が出た場合、在宅勤務が可能であれば、出社を見合わせてもらうことで対応できますが、出社しなければ仕事にならない業種の場合、職場での感染拡大の可能性を排除できないので、十分な注意が必要となります。

マスク着用と消毒の徹底を

職場内クラスターをつくらないために必要なのは、まず必ずマスクを着用するということでしょう。あとはアルコールによる消毒です。各人の手指はもちろん、ドアノブやコピー機のボタンなど、多くの人が触れる箇所の消毒が不可欠です。マスクを着用せず、密集、密接、密閉の「3密」となりかねない喫煙所などは共用を見合わせるのが望ましいでしょう。

産業医は定期的に職場を巡視しますが、実際に会社内を見てまわると、マスクを着用していない人や、着けていても鼻まで覆っていない人を見かけることがあります。「鼻出しマスク」は鼻からの飛沫で周囲を感染させる恐れがあるうえ、自分自身も感染する危険性があります。正しく着用することが必要です。

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