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ポパイのホウレンソウ缶詰ある? 英国ではカレーにも

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NIKKEI STYLE

冬になるとおいしくなる野菜のひとつがホウレンソウ。冬霜に当たると葉が軟らかくなり、いっそう甘みを増しておいしくなる。ある年代以上の人には米国のアニメシリーズ「ポパイ」の主人公の好物・ホウレンソウの缶詰を連想する人も多いだろう。果たしてそのような缶詰は実在するのか? また、ホウレンソウといえば、冷凍野菜としてもおなじみだ。上手に冷凍するポイント、また驚きの冷凍方法など、今回はホウレンソウの「豆知識」についてご紹介しよう。

ホウレンソウはヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属の野菜である。原産地は中央アジアから西アジアとされ、初めて栽培されたのはペルシャ地方、現在のイランだったと考えられている。

シルクロードを伝って東アジアに広まり、江戸時代初期には日本にも伝わっていたようだ。中国語でペルシャを意味する「菠薐」が「ボーレン」のような発音で、それが転じて「ホウレンソウ」となった。つまり、「ペルシャの草」という意味である。

ただ、江戸時代から日本じゅうに広まって一般的に食べられていた野菜というわけではないらしい。戦前までは青菜の代表といえば、カブの葉やコマツナで、その存在感が増すのは戦後のこと。そう、あのテレビアニメシリーズ「ポパイ」がキッカケである。

これは水夫のポパイと恋人のオリーブ、ライバルのブルートの3人が繰り広げるコメディーで、日本では1959年から放送が始まった。小男のポパイが缶詰のホウレンソウを食べると超人的な力を発揮し、大男のブルートをやっつけるというのが毎回のオチである。アニメ放映が終わって何年もたつ今でも「ポパイにホウレンソウ」は「鬼に金棒」の同義語のように使う人もいるくらいだ。

そして、このアニメによってホウレンソウは栄養価の高い野菜として広く認識される結果となった。実際、鉄分やミネラル、ビタミンCやビタミンK、葉酸やマグネシウムといった栄養素を豊富に含む。米国でも日本でも「ほら、ホウレンソウを食べないとポパイみたいになれないよ」というのが、母親が野菜嫌いの子どもに食べさせるときの決まり文句であった。

しかし、よくよく考えてみると、ホウレンソウの缶詰というものを一度も見かけたことがない。果たしてポパイの故郷・米国には存在するのだろうか?

日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認の「缶詰博士」で、「缶詰博士が選ぶ『レジェンド缶詰』究極の逸品36」「日本全国『ローカル缶詰』驚きの逸品36」などの著書がある黒川勇人さんに聞いてみた。黒川さんは、日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチしており、海外の缶詰事情にも詳しい。

「ありますよ。日本では売っていませんが、米国とヨーロッパ諸国では売っています。ロンドンで売っていたのを買ってきたこともあります」

いったいどんな味なのか?

「味つけは一切なく、くたくたに煮ただけなので、そのまま食べてもおいしくありません」

おいしくないものを売っているとはどういうことかと思ったら、「ロンドンではそれをミキサーですり潰し、グリーンカレーに使うそうです。料理素材の缶詰ということですね。ほかにも、パイやキッシュの具に使ったりすると思います」とのこと。

ホウレンソウのペーストを加えた緑色のカレーはインドのベジタリアンメニューの定番である。インドは英国の植民地であったことから、ロンドンにはインドからの移民やその子孫が多く住んでおり、インド料理店も多い。こうしたことからホウレンソウのカレーはロンドンでも一般的な存在なのだろう。

さて、ホウレンソウといえば冷凍食品としてもおなじみである。スーパーやコンビニで買うだけでなく、家庭で冷凍を「作りおき」している人も多いだろう。

生のホウレンソウを買って家庭で冷凍する場合、一般的なやり方はこうだ。

(1)ホウレンソウの根元に流水を当てながら泥を落とす。

(2)鍋にお湯をわかし、塩を少々入れ、茎だけを先に湯につけてから葉の部分も鍋に入れる。

(3)1分程度で冷水、または氷水に取ってさらす。

(4)熱がとれたらザルなどにあけ、根元をそろえて、軽く水気を絞る。

(5)食べやすい大きさにカットし、ふたたび水気を絞る。

(6)1回分の量に分けて、ラップをして、さらにフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。

なぜこのような過程かというと、ホウレンソウは「アク」があるため、ゆでてから水にさらす「アク抜き」が必要だからだ。アクのもとは「シュウ酸」というもので、カルシウムと結びつき、体質によっては「結石」になりやすいとされている。このシュウ酸は水溶性のため、ゆでる、水にさらすなどで減らすことができる。

だが、最近ではホウレンソウの品種改良も進み、冷凍のテクニックも研究され、生のまま冷凍してもおいしく食べられることが分かってきた。今はアクが少ない、サラダでも食べられるホウレンソウも出回っているし、そもそも毎日バケツ1杯とか大量に食べ続けなければシュウ酸を摂取しても問題ないという話もある。

冷凍の方法は簡単。根や葉をきれいに洗い水分をふいてザク切りしてフリーザーバッグに入れて凍らせるだけ。調理するときには、凍ったままみそ汁の鍋に入れたり、湯がいて定番のゴマあえにしたりすればいい。

アクがやはり気になるという方は従来の方法で冷凍しよう。

「WITH コロナ」の時代においてはスーパーなどへの買い出しも最小限にしたいので、こうした冷凍できる野菜や長期保存が可能な食材を大いに活用したいもの。缶詰も長期保存可能な食材の代表格ということで、缶詰博士・黒川さんに缶詰とホウレンソウを使ったおいしいレシピを教えてもらった。

「『イワシとホウレンソウのスペイン風オムレツ』がおススメです。ボウルに卵を割り入れ、冷凍またはフリーズドライのホウレンソウを戻したもの、イワシのトマト煮缶を缶汁ごと、溶けるチーズを加えてかきまぜます。これをフライパンに入れ、両面をしっかり焼けば"缶成"です!」

おぉ! これは"缶単"でおいしそう! ワインやビールのつまみにもなるし、子どもも喜びそうである。

思えば、ホウレンソウはビジネスマンにとってもっともなじみ深い野菜。「報告・連絡・相談」の「報・連・相(ホウ・レン・ソウ)」は仕事の基本であり、リモートワークが一般的になってからはこの基本がますます重要視されているような気がする。

仕事の「ホウレンソウ」、野菜のホウレンソウ、どちらも上手に使ってこの非常事態を乗り切ろうではないか。

(ライター 柏木珠希)

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