ホウレンソウはゆでてから冷凍するのが一般的だったが……=PIXTA

なぜこのような過程かというと、ホウレンソウは「アク」があるため、ゆでてから水にさらす「アク抜き」が必要だからだ。アクのもとは「シュウ酸」というもので、カルシウムと結びつき、体質によっては「結石」になりやすいとされている。このシュウ酸は水溶性のため、ゆでる、水にさらすなどで減らすことができる。

だが、最近ではホウレンソウの品種改良も進み、冷凍のテクニックも研究され、生のまま冷凍してもおいしく食べられることが分かってきた。今はアクが少ない、サラダでも食べられるホウレンソウも出回っているし、そもそも毎日バケツ1杯とか大量に食べ続けなければシュウ酸を摂取しても問題ないという話もある。

冷凍の方法は簡単。根や葉をきれいに洗い水分をふいてザク切りしてフリーザーバッグに入れて凍らせるだけ。調理するときには、凍ったままみそ汁の鍋に入れたり、湯がいて定番のゴマあえにしたりすればいい。

アクがやはり気になるという方は従来の方法で冷凍しよう。

「WITH コロナ」の時代においてはスーパーなどへの買い出しも最小限にしたいので、こうした冷凍できる野菜や長期保存が可能な食材を大いに活用したいもの。缶詰も長期保存可能な食材の代表格ということで、缶詰博士・黒川さんに缶詰とホウレンソウを使ったおいしいレシピを教えてもらった。

「『イワシとホウレンソウのスペイン風オムレツ』がおススメです。ボウルに卵を割り入れ、冷凍またはフリーズドライのホウレンソウを戻したもの、イワシのトマト煮缶を缶汁ごと、溶けるチーズを加えてかきまぜます。これをフライパンに入れ、両面をしっかり焼けば“缶成”です!」

おぉ! これは“缶単”でおいしそう! ワインやビールのつまみにもなるし、子どもも喜びそうである。

思えば、ホウレンソウはビジネスマンにとってもっともなじみ深い野菜。「報告・連絡・相談」の「報・連・相(ホウ・レン・ソウ)」は仕事の基本であり、リモートワークが一般的になってからはこの基本がますます重要視されているような気がする。

仕事の「ホウレンソウ」、野菜のホウレンソウ、どちらも上手に使ってこの非常事態を乗り切ろうではないか。

(ライター 柏木珠希)

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