落ち込みやすい部下 モチベーション上げる魔法の一言
(11)原因帰属
写真はイメージ =PIXTA
「心の法則を読み解く心理学は、ビジネスのあらゆる局面にかかわってくる」。心理学者であり、MP人間科学研究所代表を務める榎本博明氏はこう話します。心理学の知見をビジネスの様々な局面で生かせるようにQ&A形式でまとめた最新刊『ビジネス心理学大全』(日本経済新聞出版)から、「chapter1 モチベーションの心理学」の章を紹介、「どうしたらやる気が高まるのか」を考えていきます。
仕事で失敗するとものすごく落ち込み、モチベーションが一気に低下してしまう部下がいます。仕事に失敗はつきものだし、もっと打たれ強くならないとこの先大変だと思うのですが、どのようにしたら心の体質改善を促すことができるでしょうか?
落ち込みやすい従業員を抱えて頭を悩ませている経営者や管理職は非常に多いようです。
仕事で大きなミスをしでかし、会社に大きな損失を与えたとか、プレゼンもうまくいったし先方の反応も良かったから受注間違いなしと思っていたのにダメだったというようなことがあれば、だれだって落ち込むでしょう。
でも、ちょっとしたミスを指摘し、やり直すように言うだけでもひどく落ち込む人物には、どうにも手を焼きます。いい加減な仕事をそのまま見逃すわけにもいかないし、その人物の態度について取引先から苦情が来たら注意しないわけにはいきません。でも、うっかり注意して落ち込ませてもややこしいし、非常に気をつかいます。
そのような落ち込みやすい人物の心を、もう少し抵抗力のある心に改善するのはどうしたらよいのでしょうか。ここでも、前回で解説した原因帰属がかかわってきます。
内的統制型にも2つのタイプがある
前回、内的統制型、つまり成功や失敗の原因を自分のせいにする人は、モチベーションが高いと説明しました。外的統制型と比べると概してそのような傾向があるわけですが、じつは内的統制型にも挫折に弱いタイプと強いタイプがあります。日頃はやる気があっても、ちょっと失敗するとひどく落ち込み、やる気を失ってしまうタイプがあるのです。
では、そのようなタイプの特徴は、どんなところにあらわれるのでしょうか。