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ダメ出し上等? 社長が新入社員と対話を続ける理由

通年採用時代の就活のトリセツ(12)

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NIKKEI STYLE

こんにちは、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔です。新型コロナウイルスの感染拡大で生活が一変した2020年度も最終コーナーを迎えました。学期末のテスト対策やリポート課題に追われる日々ですね。3年生のみんなは、就職活動に本腰を入れるスイッチが入った頃でしょう。

大学がオンライン講義へと転換したように、企業もテレワークを導入した、変化に対応した1年でした。こうした社会変化の中で企業は今、組織をどう変えようとしていて、いかなる人材を求めているのでしょうか。ビジネスシーンで活躍するために、何をしておくべきか、どんなキャリア展望を描けばいいか、イメージをつかんでおきたいですよね。

そこで今回は、ランチ会やワークショップなどを通して新入社員と必ず対話する機会を設けているという企業のトップに話を聞きました。三井物産子会社でシステム開発を手掛ける三井情報(MKI、東京・港)の小日山功社長です。

入社5年目の葛原菜月さんにも一緒に話を聞きました。お二人にインタビューしたのは、次のような背景があります。「なんとなく」で入社してから、ファーストキャリア形成期に「将来のキャリア展望が描けない」とモヤモヤしている若手社員は多いのです。企業もキャリアも変化していくなかで、組織のトップが、今、何を感じているのか。そして、若手社員が何を思うのか。それぞれの生の声から、これからのキャリアのヒントを探りました。

「英語的思考」のススメ

――社長として、最も大切にしていることは何ですか。

小日山 主体性を持ってキャリア形成していく人材の育成です。そのために、社員と日ごろから数多くのコミュニケーションをとることを意識的に行っています。今はコロナ禍なのでやり方を変えていますが、ランチ会などで新入社員とも直接話すようにしています。

――新入社員とはどんな話をするのでしょうか。

小日山 ランチ会では新入社員や中途社員に「うちの会社でおかしいと思うところ、どこ?」って聞いたりします。組織になじむ手前の段階で「おかしい」と思うところを聞くことは、経営者として組織を統括して方針や施策を考えていく上で、非常に参考になります。

葛原 入社前はこんなに話す機会があるなんて思っていなかったので驚きました。私が新入社員のときには、「自分の価値と会社の価値を考えてみよう」というお話が印象的でした。

小日山 社員一人一人が、まず何ができるか、「自らの価値」を考え、キャリアを主体的に捉えてほしいという意図です。上から言われて仕事をこなす、会社にキャリアを任せるという時代ではありませんから。人生100年だとすると、実は会社にいる時間って、1割ほど(1日の労働時間を8時間、60歳定年と仮定して計算した場合)しかないんです。

――キャリア論の授業でも、「組織内キャリア」の時代ではもうなくなってきているという話をよくしています。主体的なキャリアを築くために、大学生の間にやっておくべきことは何かありますか。

小日山 英語、論理的思考、知識インプットです。特に英語は必須です。日本の経済は縮小傾向にあります。どう考えても、日本国内のみをターゲットにしてビジネスを行っていくには限界があります。世界的な言語である英語を習得して、グローバルシーンで働ける基礎力を学生時代にできるだけ伸ばしておいてください。

英語を習得することのメリットは、もう一つあります。それは、英語という言語の特性に関連するのですが、主語と述語の関係性を明確にする思考整理力がつくことです。言い換えると論理的思考ですね。ビジネスシーンでは自分が言いたいことを論理的に説明する責任が求められます。物事の本質を理解して、関係性を読み解き、相手にわかりやすく的確に伝える力を養っておくのです。

新入社員に「イノベーション・オブ・ライフ」を薦める理由

小日山 映画を見たり、本を読んだり、人と話したりすることから学ぶことも重要です。もし自分のやりたいことがわからなくても、具体的な事例を聞くと触発されるということはありますよね。

私が社員に薦めている本は、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授が書かれた「イノベーション・オブ・ライフ」です。これからの人生を考えるヒントになると思います。夢や目標はあるといいです。夢や目標を持つことで、どう達成するか、自分の人生について深く考えるようになります。人生をよりよくするという視点を持って学生生活を過ごしてみてください。

葛原 私がお薦めしたいのは、多種多様なアルバイトと専門性を磨くことの2つです。コロナ禍で何かと制限はあると思うのですが、アルバイト経験を通じて得られるスキルは、働いてから必ず役に立ちます。私自身も焼鳥屋、カフェ、化粧品販売などの接客業の経験を通して、気遣いの仕方などコミュニケーション能力を磨くことができました。大学や学業以外のコミュニティーを経験することで、社会に出てから求められる臨機応変な対応力を身につけることができるのではないかと思います。

専門性について思うところとしては、私は理系出身なのですが、学生時代の実験の経験は貴重な財産です。大学を出てから初めて、専門機材のそろった実験室で、時間を気にせずに実験に没頭できたことが、どれほど恵まれていたのかを痛感しました。

社長も若手社員も、学び続ける

――コロナ禍で人との出会いなどが制約される中で、学生へのアドバイスはありますか。

葛原 外出が減り、大学への移動時間もなくなり、時間はとれると思います。新しい趣味を始めるのもいいですね。私自身も今、学び続けています。オンライン英語を受講していて、毎日30分、時間を見つけて基礎英語力のレベルアップをはかっています。社長から「英語を勉強した方がいい」って最初に言われたときにはピンとこなかったんですけど(笑)、韓国や台湾へ旅行したときに、当たり前のように同世代の人や店員が英語を使っていて、衝撃を受けたんです。

就活も心配かもしれませんが、オンライン面接は、やってみると緊張しないと思いますよ。ただ、オンライン面接時に映り込む服装や部屋の背景なども、人事の目線でどうみられるのか、ちゃんと考えておいた方がいいと思います。

小日山 時間の使い方を考えましょう。明けない夜はありません。夜明け前が一番暗いと言われています。今が一番の耐え時なのです。アンテナを高くして、日ごろから様々な情報をインプットするようにしましょう。今は、じっくり学んで力を蓄えてください。

今まで経験したことがなく、新しいことに挑んでいくわけですから、当然うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあろうかと思います。結果をもって成功・失敗といいますが、少なくとも結果は失敗に終わろうとも、失敗による学びや可能性を広げるプロセスは貴重な経験であり知見となります。

私自身も、社長として考えていることをいかに社員に伝えるべきなのか、コミュニケーションの手法を今も学び続けています。ときどきコーチングも受けます。コミュニケーション能力が重要だとよく言われますが、言いたいことをいえば、伝わるものではないのです。相手はどう思うか、想像力を働かせることも大事です。伝えたことで、相手が気づいて、理解して、実行してもらうことで初めて伝わったと言えるのです。

◇  ◇  ◇

お二人の話から、会社もトップも、働く個人も、意識が変わってきていることがわかったのではないでしょうか。大学を卒業したら勉強は終わり、ではないのです。

最後に、小日山社長が好きな言葉、吉田松陰の名言を、皆さんと一緒にかみ締めたいと思います。

「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」

田中研之輔
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学) 2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書25冊。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。最新作『ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発』(金子書房)
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