「雪見トースト」はパンとチーズに載せて焼くだけ

まさかの「雪見トースト」がSNSで人気に

40年も続くロングセラーだけに、消費者を飽きさせない「鮮度保持」が欠かせない。新たなフレーバーの提案を重ねる一方、ロッテがマーケティングの次なる軸に据えているのは、目新しい食べ方の提案だ。「SNS(交流サイト)を使って、ファンと知恵を共有するようなアプローチに力を入れている」(安藤氏)

常識を超えるような発見が相次いでいて、たとえば、「雪見トースト」もその一つ。食パンの上にチーズと「雪見だいふく」を載せ、トースターで焼き上げるという手軽なレシピ。以前から一部では知られていたが、公式SNSで紹介したところ、一気に広まった。「温度差の大きい『ひやあつ』の食感は意外感があり、食に面白みや拡散効果を期待する層に受けた」と、安藤氏はみる。

「雪見だいくふう」の告知では率直に「助けてください」と呼びかけた

ファン層の広がりを、商品開発に生かす取り組みも始めた。19年には商品アイデアを公募する「雪見だいくふう」のキャンペーンを打った。「長年、新フレーバーやアレンジレシピを企画し続けてきたので、ややネタ切れの心配が出てきた。ファンの自由な発想を取り入れつつ、つながりを深めるきっかけづくりを狙った」(安藤氏)

キャンペーンは2019年9月から、特設サイト「雪見だいくふう室」とSNS上でアイデアを募った。募集メッセージには商品キャラクターの雪見うさぎを起用。「雪見だいふくは、悩んでいました。定番のバニラ以外の味も、もう50種以上やったし、レシピ開発もそろそろネタが……飽きられたら、どうしよう!? そこで、お願いです。みんなの“くふう”で助けてください! なんなら、アイスでいることにもこだわらないから」と、切実なトーンでアイデアを求めた。SNS経由で寄せられた案は1000を超えた。

集まったアイデアを吟味して、最終の3案に絞り、「雪見だいくふう大賞」を決める決選投票を募った。先に挙げたトーストも、この優秀3作の一つに「雪見フレンチトースト」として近いアイデアが登場していた。「お客様に『開発者』になってもらう企画を受け入れてもらえた。自分流のアレンジに興味を持つ人が多いことも分かった」と、安藤氏はキャンペーンの成果を感じ取る。

アイデア公募から商品化された「雪見だいふく れもんチーズケーキ風だいふく」

18年に通年販売を始めたのを受けて、19年には夏向け商品のアイデアを募るキャンペーンを実施。優秀作をベースにフレーバーを練り上げ、20年5月に「雪見だいふく れもんチーズケーキ風だいふく」を発売した。「アイデア公募を通じた、お客様との意見交換は新たなエンゲージメント(絆づくり)にもつながっている」という。

次のページ
バニラアイスに「隠し味」をプラス
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら