デザイン思考はホワイトカラー必須の力 創造力を磨く

写真はイメージ =PIXTA
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「デザインの世界には、ビジネスマンが日々の仕事の中で新たな価値を創るためのノウハウがたくさん存在しています」。日本でのデザイン思考の第一人者といわれる佐宗邦威氏はこう言います。先ごろ大幅に加筆修正して文庫化された同氏の著書「世界のトップデザインスクールが教えるデザイン思考の授業」(日経ビジネス人文庫)から、デザイン思考が注目されている背景とその入り口となる思考法を紹介します。

ホワイトカラーを取り巻く世界的な潮流

なぜ、今の時代に「デザイン思考」に注目が集まっているのか、世界的な流れをご紹介しておきたいと思います。まず、最初に下のグラフをご覧ください。これはグーグルトレンドで、2004年から現在までのグーグルにおける検索数の変化を示したものです。Critical thinking(クリティカル思考)と Design thinking(デザイン思考)を比較した時、過去16年間一貫してデザイン思考は伸び続けており、ついにはクリティカル思考に肉薄するようになっています。

アメリカの伝統的な美大パーソンズがまとめた調査によると、次の結果が出ています。

・75%の組織が何かしらデザイン思考に携わっている
・71 %の組織がチームで働くという視点でパフォーマンスが上がったと答えている
・デザインドリブンの会社は株価の伸びがそうではない会社より219%高い

グローバルビジネスの現場ではイノベーションやチームのクリエイティビティが求められ、デザイン思考は必須科目となりつつあります。

この流れは、日本においても例外ではありません。『日経デザイン』の「デザイン思考の次」という企画によると、日本では、デザイン思考の認知率は、50%で、実践したり取り組みを始めた会社は15%だといいます。私が2015年に『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』を出版した当初は、デザイン思考は一部の大企業のR&Dや、デザイン、新規事業担当の中での共通言語でした。しかし、今デジタルトランスフォーメーション(DX)が広がる中で、デジタル時代に知的生産を生業とするホワイトカラーの人材にとって、デザイン思考によって学べる創造的問題解決力は必須の力になっています。

これはなぜ起こるのでしょうか? 世界的に重要な潮流を4つ挙げておきたいと思います。

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潮流1:先進国型グローバル企業のビジネスに求められ