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従業員がコロナに感染したら営業停止 それって本当?

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日経メディカル

東京・品川区医師会理事で、感染症も担当する三浦医院院長の三浦和裕氏。新型コロナの流行により、区内のPCRセンターの立ち上げなどに奔走し、いつの間にか、日々更新される新たな通知などを熟読し、医師会員向けに整理し直して発信する立場に。そんな三浦氏が、発熱患者の診療の最前線に立つ中で感じたことを発信。地域の医療を担う身近な存在としての医師(プライマリ・ケア医)の立場から、飲食店の感染防止策や営業継続について語っていただいた。

◇   ◇   ◇

40歳代男性、飲食店勤務のAさんが体調不良で来院しました。診察後に「念のため(新型コロナの)検査をしますか?」と聞くと「いやいい。営業停止になったらたまんないよ!!」とのこと。

これ、Aさんだけではありません。皆さん勘違いしています。院内スタッフに新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の患者が出たら業務停止になるといまだに勘違いしている医師もいるくらいです。

もちろん、院内スタッフに感染者が出ても業務停止はあり得ないし(標準予防策ができていればスタッフが感染しても濃厚接触にはならない)、飲食店のスタッフに感染者が出ても、やっぱり営業停止にはなりません。保健所が営業停止を求めるのは、食中毒発生時のみです。そしてCOVID-19は食中毒ではありません。

農林水産省は「食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。一般的な衛生管理が実施されていれば、感染者が発生した施設等は操業停止や食品廃棄などの対応をとる必要はありません」としています(農林水産省の新型コロナウイルス感染者発生時の対応・業務継続に関するガイドライン[注1])。

すなわち、食品(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む)を介した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は報告されていない(食中毒は起きない)のです。感染リスクが高い行為として会食が挙げられることが多いですが、それはあくまで、会食時の会話で生じる飛沫による感染と接触感染と考えられています。そのため、食品製造業、食品流通業、卸売市場、外食産業などの食品を取り扱う事業所の従業員にCOVID-19の患者が発生しても、営業停止も食品廃棄も必要ないのです。

ただし感染防止対策が適切に実施されていない場合、"さらし者"になる危険性はあるので要注意。内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は2020年7月に公表した、「飲食店等におけるクラスター発生防止のための総合的取組」[注2]の中で、「クラスターなど感染者が発生し、感染経路の追跡が困難な場合には、感染拡大防止の観点から店舗名を公表する扱いとなっており、当該公表において関係者の同意が必要なものではないこととともに、ガイドラインに掲載しているような感染防止策が適切に講じられていなかったことが感染の要因であると考えられるときは、その旨を公表して感染防止策の徹底を促すことを改めて周知する」としています。

[注1]https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/ncv_guideline.html

[注2]https://corona.go.jp/news/pdf/insyokuten_torikumi_0729.pdf

感染防止のためのガイドラインを順守していない事業者として公開されれば、営業に多大な悪影響を受けるのは必至でしょう。ルールを守らないと怖いことになりますが、ルールを守ってさえいれば、営業停止はあり得ないのです(ただし、感染者の同居人は濃厚接触者となるので、夫婦だけで営んでいるようなお店が営業を続けるのは現実的に厳しいかもしれません……)。

【COVID-19疑いの飲食店関係者への正しい説明】

 COVID-19は食中毒ではなく、飲食店関係者に感染者が出ても営業停止の心配はありません。そのため、医師が必要と判断した際は、SARS-CoV-2検査を受けることをちゅうちょしないでください。

手指衛生の誤解を正すのもプライマリ・ケア医の役割

なお、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要があります。食器についても同様で、清潔な取り扱いが必要です。ただ、飲食店関係者を含めた一般の方に「アルコール消毒の効果はどのくらい持続するか知ってる?」と聞くと、2時間とか3時間とかの答えが返ってきます。

「アルコール消毒≒無敵」のように思っているみたいです。われわれ医療者の常識である、アルコールは数十秒で乾燥して消失し、その時に手指についているウイルスにしか効かないということは一般には知られていません。

加えて、アルコール消毒と手洗いでは比べられないくらいアルコールの方が効果があると誤解している方も少なくありません。アルコールは除菌効果や簡便さで勝っていますが、手洗いも目に見える汚れがあるときなどは推奨されていて、組み合わせが必要です。手や指に付着しているウイルスは、流水による15秒の手洗いだけで100分の1になり、せっけんやハンドソープで10秒もみ洗いして流水で15秒すすげば1万分の1になります。ちゃんと手洗いができれば感染は減るので、肌を荒らしてまでむやみやたらとアルコール消毒しなくていいことも伝えていきたいです。もちろん、正しい手洗い法として、指先や指の根元、特に親指の洗い忘れに注意することも。そうそう、「もの」に対するアルコール消毒は拭き取りが大前提で、環境に噴霧してもダメ。しっかりと拭き取ることが大事なのです。

感染予防、感染対策は基本を押さえてこそ。一般市民に対する地道な啓発もわれわれプライマリ・ケア医の役割だと思います。

[日経メディカル2021年1月12日付記事を再構成]※情報は掲載当時のものです。

三浦和裕さん
三浦医院院長。2004年帝京大卒。東京警察病院、聖マリアンナ医科大などを経て、2012年より現職。2017年より品川区医師会理事。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本外科学会認定登録医、がん治療認定医。

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