投資信託選びの3ポイント どこの、何で、どのように

写真はイメージ=PIXTA
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公的年金で不足する老後資金は自分で準備しなければなりません。自分年金づくりに大きな役割を果たすのが、つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇のある制度を利用した投資信託の積み立てです。

といっても、「どの投資信託を積み立てればいいの?」という声も聞こえてきます。そこで今回は投資信託の選び方について見ていきましょう。

投資信託の種類と選び方

投資信託の個別の商品である“ファンド”は、投資信託の運用会社が設定し、出資する人を募集してお金を集めます。“ファンド”に集まったお金は、運用会社に所属する運用の専門家(ファンドマネジャー)やそのチームが株や債券などで運用します。

投資信託を買うということは、ファンドに出資するということであり、ファンドを通して株や債券に間接的に投資することになります。

個人がファンドを購入するときは、証券会社や銀行に証券口座をつくって、そこを通して購入の申し込みや購入代金の払い込みを行います。こうした証券会社や銀行は販売の窓口というわけです(運用会社が販売窓口となっているケースもあります)。

ファンドに集まったお金を運用するにあたっては、以下のような項目がファンドごとにあらかじめ決められています。

・何で運用するか

株、債券 など

・どこの商品か

日本、米国、先進国、新興国、全世界 など

・どのように運用するか

インデックス運用(株価指数などに連動するように運用する)

アクティブ運用(指数を上回る運用成果を目指す)

これらの組み合わせによってファンドのタイプが決まります。例えば、「日本の株で運用するインデックスファンド」「先進国の債券に投資するアクティブファンド」といった具合。また、「全世界の株と債券に投資する」というように、資産を組み合わせた「バランス型」と呼ばれるファンドもあります。

「どこの」「何で」「どのように運用するか」というファンドのタイプは、ファンドを選ぶ最大のポイントとなります。

では、現役世代が資産づくりをするためには、どこの何でどのように運用するファンドがよいのでしょうか。投資初心者は値動きが少ないバランス型がよいという考え方もありますが、時間をかけて資産づくりをするのであれば、株だけに投資するファンドのほうが資産を増やす効果が高いといえます。投資先は日本だけでなく、先進国全体、あるいは全世界に広げて国際分散投資を図るのがよいでしょう。

アクティブ型はファンドごとに運用方針・運用成績が異なります。それを理解したうえで自分で選べる人は「これ」と思えるアクティブ型ファンドを選べばよいですが、それは難しいな、と思う人はインデックス型にしましょう。

コストもチェック

こうして、例えば「先進国あるいは全世界の株に投資するインデックスファンド」というところまで決めても、このタイプのファンドはたくさんあり、どれにしたらいいか迷ってしまいます。そこで次の手がかりとなるのが「コスト」です。

ファンドは買うときに購入金額の〇%という形で販売手数料がかかるものがあります。また、すべてのファンドは、運用にかかるコストが信託報酬(運用管理費用ともいう)として、ファンドの資産から年〇%という形で差し引かれます。

購入時に手数料がかかると、毎月積み立てる額からその分が差し引かれて実際の購入額が少なくなってしまう(あるいは積立額とは別に手数料を支払う)ので、購入手数料のかからないものを選びます。

信託報酬は安いほうが、運用に回せるお金が多くなり、資産の増え方が大きくなります。ただし、信託報酬はファンドのタイプによって水準が異なるので、同じタイプのファンドで比較する必要があります。

つみたてNISAのファンドは長期投資向き

コストを比較するのはなかなか大変ですが、つみたてNISAならその手間が省けます。というのは、対象となっているのが低コストのファンドだけだからです。

つみたてNISAは長期的な資産づくりのために、金融庁が定めた一定の基準を満たしたファンドのみが利用できます。その基準の一つがコストなのです。つみたてNISAのファンドは、販売手数料のかからない「ノーロード」で、信託報酬は投資対象ごとに一定以下でなければなりません。

そのほかに、運用期間が無制限あるいは20年以上などの基準があるため、つみたてNISAの対象となっているファンドは、低コストで長期の資産づくりに適していると考えることができます。

ですから、「どこの何でどのように運用するファンド」と決めたら、つみたてNISAの対象からこのタイプのものを選べばOKというわけです。

つみたてNISAで利用できるファンドは現在190ほどあり、そのうちのどれを取り扱っているかは金融機関によって異なります。一般的にネットのみで取引を行うネット証券会社は扱うファンド数が多いので、つみたてNISAの口座を開設するならネット証券がお勧めです。

iDeCoは口座管理手数料がかかるので、まずこの手数料が安い金融機関を選ぶことが大切です。その中から、低コストのファンドを多く扱っているところを探しましょう。金融機関ごとの口座管理手数料や取り扱いファンドはiDeCoナビ(https://www.dcnenkin.jp/)で調べられます。

馬養 雅子(まがい・まさこ)
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net
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