「パークタワー勝どき」 タワマン買い替えを誘発
今回の目利き 村田真氏
東京都の臨海部のうち都心に最も近い中央区勝どき地区で、久々に大型タワーマンションの新規分譲が始まった。2023年夏に完成、24年春に入居開始予定の「パークタワー勝どきミッド/サウス」だ。三井不動産レジデンシャルが主たる売り主で販売代理を務め、「ミッド」棟(画像の中央右)は清水建設、「サウス」棟(同中央左)は鹿島も売り主だ。
両棟は、幹線道路に接道させるため、北側の既存マンションの敷地と一体で「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」の認可を受けて建設される。
ミッドは地上45階・地下2階建ての免震棟で全1121戸(うち事業協力者用551戸)。都営地下鉄大江戸線「勝どき駅」に地下通路で直結する地下1階が実質的なメーンエントランスとなる。建物の平面は「くの字」型に屈曲し、3階までは店舗やスポーツアリーナ、保育所などが入り、4~7階は地権者用オフィスとなる。ラウンジのある8階から上が住居階だ。サウスは地上58階・地下3階建てで制振装置を備え、全1665戸(同556戸)。高さと規模はミッドを上回る。
コロナ禍の影響で三井不レジは20年3月に予定していたミッドの販売開始を約半年延期した。その間に地下1階の特高(特別高圧電力)引き込み開閉所と主配線盤室を上階に移設して浸水対策を強化し、フィットネスやゲストルームにも少人数対応の工夫を施した。延期に伴って図面集や価格表をHP(ホームページ)で全て公開したことは画期的だ。
11月末に登録を締め切った第1期1次販売は、56平方メートルの2LDKから153平方メートルの3LDKまでの237戸が対象で、平均坪単価は425万円。地下鉄駅直結、商業施設の多さ、独特の外観が高評価を得て平均倍率は2.7倍となり、12月中旬までに完売した。購入希望者の中心は30代から40代前半のパワーカップルや子育て家族で、「周辺の築浅のタワマンからの買い替え希望者が圧倒的に多い」と販売担当者は話す。第1期2次販売は21年1月末に登録を締め切る予定で、サウスの販売は今夏以降に開始する方針だ。
(日経BP 日経クロステック編集 シニアエディター)
[日経産業新聞2021年1月21日付]
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