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中村アン 「おうち時間」を飾る花瓶コレクション

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NIKKEI STYLE

『危険なビーナス』『SUITS/スーツ』などのドラマで女優としての魅力を開花させている中村アンさん。「おうち時間」が増えた昨今、彼女の部屋で存在感を増しているのは「花瓶」だった。

気分に合わせて楽しむ、フラワーベース

「普段から部屋にお花を飾ることが多く、ここ最近は花瓶集めにハマっています。シンプルなガラスの花瓶から、個性的な形をしたものまであるんですけど、最近のお気に入りは、ネットで買った、女性の上半身をかたどったもの。花を入れなくても、これなら部屋に置いておくだけで、オブジェとして成り立つ。同じブランドのもので、お尻の形をしたものもあるんですよ」

女体の花瓶は「Anissa Kermiche(アニッサ ケルミッシュ)」のもの。花瓶はネットだけでなく、店舗で買うことも多いという。

「インテリアショップに花瓶だけ見に行くこともありますし、入ったお店で見かけて、いいなと思うと、つい買っちゃいますね。私がいいなと思うものは、色でいうと青っぽくて、形は丸より、四角いもののほうが多い気がします。もともと陶器のうつわが好きなので、和風のつぼっぽいものも好きです。今、家にあるのは、15個くらい。花瓶によって花の雰囲気も変わるので、選ぶだけでも楽しいです。

花はスーパーの端のほうに売っていたりもするんですよ。去年、新型コロナウイルスの自粛期間に『花って、花屋さんに行かなくても普通に売っていたんだ』と気付いてから、ユリとかチューリップとか、季節の花を買って楽しむようになりました。例えばチューリップは、つぼみの状態で買っておくと、どんどん花開いていく。朝起きたときや疲れて帰ってきたときに、花が元気に咲いていると、すごくパワーをもらえるんです。

おうち時間が増えて部屋に飽きてきても、引っ越しは頻繁にはできないじゃないですか。そんなときに、花や花瓶を変えると、リフレッシュになっていいと思います」

殻を破って、女優として新境地に

1月29日公開の出演映画は、行成薫のサスペンス小説を、『ストロベリーナイト』の佐藤祐市監督が映画化した『名も無き世界のエンドロール』。中村さんは、自動車修理工場で働く主人公のキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)が出会う「高根の花」、政治家令嬢でモデルのリサを演じている。

「リサはワガママで高飛車で、自由奔放な女の子。ぶっ飛んでいるので、共感できるタイプの役ではなかったです(笑)。でも、それはそれで楽しもうと考えて、自分なりに性格を分析して、演技プランを組み立てて臨みました。

難しかったのは、感情をぶつけること。私自身は普段あまり人に対しておもいきり感情をぶつけることはないので、特に怒鳴るシーンは自分との戦い、という感じでした。そのシーンは神戸のホテルで撮ったんですけど、2日間、泊まり込んでの撮影だったので集中できましたし、監督が導いてくださったこともあって、最後は自然と感情をぶつけることができて。撮り終えたときはアドレナリンが出過ぎて、『はあ~っ』って放心状態になりました。あまり記憶がなくて、完成した映画を見たときは『私、こんな顔をしてたんだ』と思いましたね」

マコトは「リサにふさわしい男になる」と会社経営者として成り上がり、ホテルのスイートルームで、サプライズのプロポーズを行う。中村さんがプロポーズを受けるとしたら、どんなシチュエーションがうれしいのか。

「私は、サプライズが苦手なんですね。うれしいんですけど、それが素直に出せず、うれしくなさそうに見えちゃう。それで申し訳ない気持ちになってしまうので、朝起きたら枕元に指輪があるとか、日常のなかでの小さなサプライズがいいです。『えーっ!?』じゃなく、『えっ?』くらいがうれしいですね。

完成した映画は、いろんな登場人物の立場になって考えると、すごく切ないサスペンスになっていると思います。ラスト20分の怒とうの展開が見どころですが、それを知った上でもう1回見ても面白いかもしれない。私にとっては、チャレンジングな役柄でリサを通して芝居が楽しいなと思えた、転機作です」

照明とじゅうたんで、おうち時間の質をアップ

近年は『グランメゾン東京』『危険なビーナス』など人気ドラマへの出演が相次ぐ。チアリーディングやクロスフィットなどで鍛えた「健康美」と、飾り気がなく、すがすがしさを感じさせる存在感が魅力だ。

「お芝居を始めて5年くらい。演じる作業は難しくて、もがきながら続けてきたという感じです。でも、できないことに挑戦したほうが自分を成長させられるので、楽しいですね。

今までは秘書のようなデキる女性の役が多かったので、これからは違うタイプの女性も演じてみたいです。例えばチアリーディングをやっていたので、熱血タイプの女性とか」

「コロナをきっかけに、暮らしを楽しむようになった」という。最近買って良かったものは、花瓶のように、おうち時間の充実に関わるもの。

「部屋の照明を、普通のシーリングライトから、つるすタイプに変えたんです。それから床を柄モノのじゅうたんにしたら、殺風景だった部屋が、一気に人が住んでいそうな部屋になりました。私は床に座って何かをする時間も長いので、触り心地の良いじゅうたんにしたことも正解でした。さらに家具の配置換えをしてみたら、意外となじんで。何事も挑戦だなと思いましたね。

いろいろ変えていったら、普通のシンプルなソファが、部屋の中で浮くようになってきたんですよ。だから今欲しいのは、新しいソファ。座面の低いものがいいんですけど、なかなか良いものがなくて……。コロナの影響でまだまだ家にいる時間が増えそうなので、より暮らしを楽しむことを意識して過ごしたいです」

中村アン
1987年生まれ、東京都出身。高校、大学とチアリーディング部に所属し、全国大会にも出場。健康的な美ボディーを武器に女優として活躍の幅を広げる。18年に『ラブリラン』で連続ドラマ初主演。以降『集団左遷!!』『グランメゾン東京』『SUITS/スーツ』『スイッチ』『危険なビーナス』など話題のドラマに出演を続ける。映画出演作に『ミックス。』などがある。

『名も無き世界のエンドロール』

幼なじみのキダとマコトは、小さな自動車修理工場で働いていた。そこに破損したスポーツカーで乗り付けてきたのは、政治家令嬢でモデルのリサ。リサに興味を持ったマコトは食事に誘うが、相手にされない。その後、マコトは会社経営者になり、キダは裏社会でのしあがる。やがて再会したマコトとキダは、クリスマス・イブの夜、10年もの歳月を費やして企てたある計画を実行する……。監督・佐藤祐市 脚本・西条みつとし 原作・行成薫『名も無き世界のエンドロール』(集英社文庫刊) 出演・岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、石丸謙二郎、大友康平、柄本明 1月29日全国ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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