2021/1/25

――ゆうこすさんの中の「モテ」の定義がだんだん変わってきたのでしょうか。

「そうですね。発信を始めたころは北九州にいて、『男性はキッチンに立っちゃだめ』といった価値観のある地域で暮らしていました。私もそれに疑問を持たず、モテクリエイターとしても『自分をか弱く見せるメイク』といった内容を発信していました。でも東京で働くなかで『あれ?』と思うことが増えていきました。今、私が考える『モテる人』の三大要素は『自分と相手の気持ちを両方大事にできる』『常に何かに挑戦している』『自立している』です」

変化した「モテ」の定義

――「モテ」の内容が、内面に向かっていったんですね。

「私たちがつくった動画を見て『見た目だけでなく内面が大事と言ってもらえて自信につながりました』といったコメントをもらうと、ああ、よかったなと思います」

「今でも一番のモチベーションは『モテたい!』なのですが、モテの定義が変わったことで、タレントとしてはすごく分かりづらくなったと思います。テレビでは『モテテク』を使って男性タレントさんを落とすような演出が求められますが、『今はできないんです』と伝えると困惑されます。モテの定義そのものを変えていくことも私の活動の一環なんですが、分かりづらいですよね。なので今は、タレント活動よりもブランドの運営などにシフトしています」

「モテる人」には三大要素があるという(2020年12月、東京都内)

――発信以外にも様々な事業を手掛けていますね。

「まずは私をサポートしてくれるチーム作りから始め、その後ブランド担当のチームを作り、今は社員数が30人以上になりました。ライバーとしての経験を生かし、19年に立ち上げたライブ配信者の事務所は約1200人の配信者を抱えています」

「18年に立ち上げたスキンケアブランドはこれまでネット販売が中心でしたが、21年2月末のリブランディングを経て店頭に並ぶようになります。21年はこれまで生み出したビジネスを完璧に育てていきたいです。ゆうこすとしても約4年ぶりにスタイルブックを出す予定です」

――裏方の仕事が多いようにみえますが、自分が表に出るのはいつまで、と決めているのですか。

「ある程度は決めています。配信者の事務所は、『立ち上げて2年以内に私がメインビジュアルに出なくても大丈夫な状態にしよう』と決めて育ててきました。スキンケアブランドも今度のリブランディングでは、ゆうこすをモデルに起用していないんです。これも、2年以内にプロダクト自体のファンを増やして、ゆうこすのファン以外の方にも愛されるブランドにしたい、という考えからです」

――20年はコロナ禍の厳しい年でしたが、ご自身の成長にとってプラスと思えたことはありますか。

「以前より本を読むようになりました。20年に読んだ中では、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』が一番良かったです。愛するという行為は本来、相手に選択肢を与えることなのに、相手を縛ったり自分勝手になったりすることがある。本当に愛する相手のことを思えているのか?と問う本なんです」

「ちょうどコロナ禍で気持ちがピリピリしていたときに読んで、仕事でも恋愛でも本当の意味で周りを愛せていなかったな、と反省するきっかけになりました。相手のことを考えぬくことや愛することは、恋愛だけではなく、親や友達、仕事など全てにおいて大切だと思うので、この先も折に触れて読み返したい本です」

――ゆうこすさんが思う5年後、10年後はどんなものですか。

「20年は『Zoom(ズーム)』などのオンラインツールが広がり、改めて効率化について考えた一方、逆に寂しさも感じるようになった1年だったと思います。これからは仕事ではさらに効率化を進めて、生まれた余白でみんながもっと人と会ったり遊んだりできるといいなと思います」

「大人が遊ぶって『何するの?』って感じですが、この前久しぶりに卓球したらすごく楽しくて、大人も遊びを求めているんだなと思いました。SNS以外の生活も充実させないと孤独感が増してしまうと思うので、コロナが終息したら人が会って遊べる場が増えたらいいなと思います。とはいえ私は運動がめちゃくちゃ下手で、卓球やってもラケットに振り回されちゃうんですけどね(笑)」

(聞き手はライター 菊池友美)

ゆうこす菅本裕子
1994年、福岡県生まれ。アイドルグループ脱退後、ニート生活を送りながら自己プロデュースを開始。自ら造語した「モテクリエイター」の肩書を使って起業し、現在はタレント、モデル、ユーチューバーなど多彩な活動を展開。SNSの合計フォロワーは165万人以上。著書に「SNSで夢を叶える」(KADOKAWA)、「共感SNS」(幻冬舎)、「#ライブ配信の教科書」(日経BP)など。
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