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生ジョッキ缶と微アルコール アサヒ、コロナ禍で勝負

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日経クロストレンド

アサヒビールは「スーパードライ」の新製品として4月に「生ジョッキ缶」を発売する。国内初の自然に発泡する缶容器だ。さらにアルコール0.5%の「微アルコール」飲料も3月に先行発売、飲まない人や飲めない人にも対応する。コロナ禍の新たな生活様式で多様化するニーズに応えるという。

酒税改正の追い風生かせず

アサヒビールの塩澤賢一社長は発表会の冒頭挨拶で「2020年の国内ビール市場は16年連続で縮小した」と新型コロナウイルス禍によるビール市場への打撃を説明した。同社の基幹ブランドの「スーパードライ」(SD)も強みである業務用へのダメージが大きく、売り上げが前年比78%(数量ベース)に。20年10月の酒税改正で新ジャンルやRTD(Ready to Drink、栓やプルタブを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)との価格幅が小さくなり、10~12月に限れば前年同期比117%と好調だったものの、通年で見ると機会損失は大きく、酒税改正の追い風を生かしきれなかった。

塩澤社長は、コロナ禍の影響について、「スーパードライが主要ビールブランドの中でも最も強い、花見や祭りなどイベント需要、いわゆる『ハレの日』需要が蒸発したこと、オリンピック・パラリンピックの延期も余儀なくされたこと」を挙げた。

さらに26年までに段階的に酒税が改正されていくのに伴い、「ビールではブランド淘汰が予想されている。選んでもらえるようブランド価値を向上させることが重要」との危機感も口にした。

そこで注力するのが、缶ビールの強化だ。外出自粛による宅飲み需要の増加でSDの缶の売り上げは前年比6%増となっている。そこで21年は缶ビール需要の波をとらえるべく、うまさや鮮度といったこれまでの訴求点に新技術で付加価値を与え、ブランドの価値向上を狙う。その付加価値とは、缶ビールなのにジョッキに注いだ生ビールを飲んでいるような体験ができるという「生ジョッキ缶」だ。

これまでのビール缶にはなかった「全開するふた」を開けると、数秒で自然と生ビールのようなきめ細かな泡が立つという。ふたを全開するため、麦芽の香りが感じやすくなるとともに口に流れる液量が多くなり、生ジョッキで飲んでいるような感覚が味わえるのも特徴だ。

開缶直後に自然発生する泡は、特殊塗料が塗られた缶胴(特許出願中)の形状により、通常の缶からビールをグラスに注いだときに発生する泡よりもきめ細かい。缶のまま直接飲めるため冷たさも炭酸ガス圧も維持されるとのこと。また、開缶したふたと飲み口は、飲料缶では初採用のダブルセーフティー構造で、手や口を切る恐れがないという。

首都圏に2度目の緊急事態宣言が発令されるなど、飲食店で生ビールを飲む機会が激減するなか、家でも生ビールを飲んでいる気分になれる商品は、うまさだけでなく感動を伴う体験も訴求ポイントにできると自信を見せる。生ジョッキ缶をフックに21年は前年比108.9%増を狙う。

同社では、コロナ禍で苦戦を強いられる飲食店への支援として、テイクアウトや弁当のあっせんなどを試みたものの、長続きしなかった。このため、業務用の施策として塩澤社長は、「今まで以上においしい状態で生ビールを出すこと。生の味を上げようということに最も注力していく」と述べるにとどまった。

あえて飲まない人もターゲットに

生ジョッキ缶と並び、新たな施策の目玉になるのが、0.5%のアルコール飲料「アサヒ ビアリー」(希望小売価格、税別181円)。アルコールを飲む人も飲まない人も尊重し合える社会を目指す新たなスローガン「スマートドリンキング」から生まれた新商品だ。

スマートドリンキングとは、「不適切な飲酒を撲滅し、さまざまな人々の状況や場面における飲み方の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現することを目指す」(塩澤社長)という考え方。海外では不適切な飲酒を避けて、お酒を飲める人があえて飲まないことを選択する「ソバーキュリアス」が増えており、ノンアルコールや低アルコール市場が拡大し続けている。この潮流が日本でも広がるとみる。

アサヒビール専務取締役マーケティング本部長の松山一雄氏は、「これまでは20~60代の人口約8000万人のうち、日常的にお酒を楽しむ約2000万人をターゲットにしていたが、半数の約4000万人は何らかの理由で飲まない。今後は(4000万人を含めた)すべての大人をお客様として捉えられるため、ビジネス的に大きなポテンシャルがある」と、話す。

ノンアルコールビールでは物足りない、体質やシーンで飲み分けたいといった未充足ニーズを掘り起こし、新規層獲得を狙う。

製造方法も既存のノンアルコールビールと異なり、100%ビール由来の原料を用いたベースビールからアルコールだけを抜くため、「ビールのような本格的な味わい」(松山氏)だという。アルコール度数が1%未満のため清涼飲料水に分類されるが、あくまでアルコールとして販売する戦略だ。「未成年飲酒の危険を避けるためにも、価格を高めに設定した。この商品の価値を認めてもらえる人に飲んでいただきたい」(塩澤社長)

スマートドリンキングの取り組みでは、他にも「21年6月までに商品の純アルコールグラム量をホームページに開示」「25年までにアルコール度数3.5%以下の商品構成比20%(09年比)を目指す」を掲げている。

20年にマーケティングの基本方針を物性訴求から情緒訴求へ大きく転換したアサヒビール。生ジョッキのような缶ビール、体質やシーンに合わせてビールのような気分が味わえる微アルコールなど、ニューノーマルにおける生活者目線での商品開発は「お客さま主役の『統合型マーケティング』」(松山氏)の表れと言えるだろう。

巣ごもり需要で業務用に苦戦したアサヒビールを抑え、20年は「本麒麟」や「一番搾り 糖質ゼロ」が好調のキリンビールがビール類の推定シェアで11年ぶりの首位に躍り出た。同社は同じ日、21年のビール類販売目標を数量ベースで前年の1.6%増と発表した。巻き返しを図るアサヒビールの期待が両商品にかかっている。

(ライター 北川聖恵)

[日経クロストレンド 2021年1月12日の記事を再構成]

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