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ミシュランガイド東京2021 環境配慮の新基準には6店

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NIKKEI STYLE

2020年12月、グルメガイド『ミシュランガイド東京 2021』の掲載店が発表された。同ガイドには、日本のミシュランガイドで初めて中国料理の三つ星店が登場するなど、コロナ禍でも話題を呼ぶ内容が盛り込まれていた。「グルメクラブ」として注目したいのは、昨年紹介した2店が、新しくビブグルマンの評価を得たこと。ビブグルマンとは、東京や京都・大阪では6000円以下、そのほかの地方では5000円以下で楽しめる、良質な食材で丁寧に仕上げた料理を出す飲食店に与えられる評価だ。

新しくビブグルマンとなったのは、東京・赤坂のイタリア料理店「アニコ」(「山海のおいしさいいとこ取り 知られざる伊マルケ料理」参照)。中部イタリアのマルケ州の料理を看板とするレストランだ。現地のミシュラン二つ星店で修業したシェフの井関誠さんが腕を振るう。マルケの名物料理、「ヴィンチスグラッシ」と呼ばれるこの地方独特のラザニアは、ワインとの相性が最高にいいパスタ料理。井関さんのアイデアで、チーズの羽根が付いた料理に仕上げてあり、食欲をそそる一品だ。

もう1店は、東京・渋谷区のカレー専門店「ポークビンダルー食べる副大統領」(「メニューはまろやかな酸味のカレー 謎の店名の専門店」参照)。謎かけのような店名だが、ポークビンダルーとは、南インド・ゴア州の酸味が特徴の豚カレーのこと。「副大統領」というのは、米クリントン政権で副大統領を務めたゴア氏のことで、つまりはダジャレ。メニューは1種類のみだが4種のユニークな自家製調味料も置かれ、手の込んだ内容。カレーは税込み1000円ポッキリで、テークアウトも可能だ。

さらに、「グルメクラブ」で紹介した東京・広尾の「ビストロ ネモ」(「『ずらし』で昼下がりのビストロ楽しむ 東京・広尾

参照)のグループ店、西麻布のフランス料理店「レフェルヴェソンス」が二つ星から三つ星に昇格した。三つ星レストランともなると価格帯的に敷居が高いが、昨年オープンした「ビストロ ネモ」は普段使いもしやすい価格で牛肉の赤ワイン煮など、丁寧に仕上げたクラシックなフランス料理を出す。

モダンフレンチで知られるレフェルヴェソンスとは異なるが、シェフの根本憲仁さんは同店のスーシェフを約3年務めた腕の持ち主。「ビストロ ネモでも、僕がレシピを考えたレフェルヴェソンスの以前のドレッシングを用いたこともあり、同店に行かれたことがあるお客様の中には、『あの味だ』と気づかれた方もいらっしゃいます」(根本さん)。なお、緊急事態宣言を受け2月7日までは休業。再開が待たれる。

さて、実は『ミシュランガイド東京 2021』で最も注目されるのは、初の「ミシュラン グリーンスター」という評価の導入だろう。グリーンスターは、昨年から始まったミシュランの評価基準で、星やビブグルマンの評価を得た店のうち、サステナビリティ(持続可能性)を積極的に推進している飲食店に与えられる。ガイドへの導入はフランスを皮切りに、北欧などヨーロッパで先行。アジアでは、昨年10月発行の『ミシュランガイド京都・大阪+岡山 2021』が初めて導入。東京は4番目の紹介となった。

一つ星から三つ星店まで、フランス料理を中心に6店がグリーンスターに認定されたが、中でもここで紹介したいのが東京・北参道の一つ星フランス料理店「シンシア」。昨秋、原宿にカジュアルフレンチの姉妹店「シンシアブルー」を出店。ぐっと利用が身近になったからだ。「グルメクラブ」では「シンシアブルー」も紹介した(「原宿に『グルメの小道』 大人向け、食べ飲みハシゴも」参照)。

「シンシア」のオーナーシェフ、石井真介さんは、東京のトップシェフ約30人などをメンバーとし2018年に設立されたシェフス フォー ザ ブルーに、設立前よりかかわってきた。同団体は、水産問題を中心とした社会問題に取り組む。シンシアブルーは、サステナビリティへの対応を前面に押し出した店で、メニューには、サステナブルな漁業の国際的認証であるMSC(海洋管理協議会)やASC(水産養殖管理協議会)認証の食材が並ぶ。また、日によっては未利用魚(骨が多い、鮮度落ちが早いなどで市場やスーパーに出回らない魚)を仕入れ、カルパッチョなどに仕立てている。

「昔はあんなに魚が獲れたのに」――。シンシアブルーのシェフ、吉原誠人さんは、シンシアに勤める前、北海道から沖縄まで日本一周の旅をした。日本の風土や郷土料理を知るためだ。その時、どこに行ってもそんな話を現地の年配者から聞き、日本の水産資源が枯渇しているのを目の当たりにした。「当店が、お客様がサステナブルなシーフードに関心を持つ入り口となれば」と思いを込める。

サステナブルな食への関心は、店の料理を心からおいしいと思ってもらってこそ広まる。だから、魚介類だけでなくそのほかの食材、調理にも気を配る。一からブイヨンを取り、新鮮な食材を使いしっかりとした香りや季節感を出す。

驚くのはその価格だ。夜のメニューは4900円(税・サービス料別。2月から同5900円に変更)のワンコースで、テーブルビュッフェの形式。10種類以上(品数は日により変わる)の前菜を好きなだけ食べられる。土日祝日限定で子供の来店もOKで、小学生以下は2000円(税・サービス料別)。未就学児は無料だ。そこまでするのは、子供たちの食育を考えているからだ。

「僕は今20代半ばですが、自分より下の世代がサステナビリティについて学ばないと、大人だけがんばっても世の中に浸透しません。だから、お子さんが来店するとできるだけ相手の質問に答えるし、説明もします。サステナビリティについて勉強するために、お子さんがご両親に連れられていらっしゃるケースは多いんですよ」(吉原さん)

前菜は、もともと大皿に盛った料理を客が自分で取り分けるビュッフェスタイルを考えていたが、新型コロナウイルスの影響から、テーブルビュッフェへと切り替えた。小さな皿に美しく盛られた料理が次々と運ばれ、リピートしたい料理は再度オーダーできる。「薫製にした銀ザケの下にカリフラワーのムースを敷いた料理などは、大皿ではなく一皿ずつ出すスタイルだからこそ出せる料理。めちゃくちゃ大変になりましたが、料理のクオリティー自体はブラッシュアップできました」と吉原さんは振り返る。

実は、前菜には魚介類の料理だけでなく、「お肉を召し上がりたい方もいると考えた」(吉原さん)と、ローストビーフまで並ぶ。メイン料理は、シンシアでもおなじみの「たい焼き」。たい焼きの形をしたパイで魚を包んで焼いた料理で、取材日にはASC認証のマダイを用いていた。「シンシアでは甲殻類のソースを添えますが、前菜のビュッフェを召し上がった後なので、この店では軽めのソースを意識した」(同)と、カプチーノ仕立てのソースにした貝のだしが添えられ、青い皿の上で魚が泳いでいるかのようなイメージで盛り付けられている。

「わあ、来た!」と楽しみにしている客が多い一品だ。ちなみに、前菜のメニューには、シンシアのシグネチャーディッシュである、カニみそソースのバーニャカウダやフォアグラを仕込んだウサギ型の最中も並び、ミシュラン一つ星の姉妹店ならではのぜいたく感が味わえる。

オープンして半年もしない間に6回も訪れた客もいるという同店。デザートでは液体窒素を使った演出があるなど、楽しい店であることも、客の心を引き付ける。「サステナブルな海洋食材を使った飲食店への外食企業の関心は高く、店にも多くの方がいらっしゃる。認証魚は、それ以外のものと混ざらないよう別の冷蔵庫や冷凍庫に入れる必要があるなど、サステナビリティを実現するのは想像以上に大変でしたが、この店を機にほかにも広まってほしい」と吉原さんは期待を寄せる。

なお、シンシアは新しく店の味を届けるテークアウトサイトを立ち上げる予定。コロナ禍がなければ食べられなかっただろうミシュラングルメにも、大いに注目だ。

(ライター メレンダ千春)

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