従業員の「個」にフォーカスした学びを提供

――学習のパーソナライズも進んでいますね。

近年のビジネスパーソンは、会社から与えられる学びだけでは満足していません。自分のキャリアを築いていく意識が高い方は、自腹を切って英会話や経営学修士(MBA)プログラムやマインドフルネスなどを学んだりしています。特に最近ではウェブやSNS(交流サイト)、ユーチューブからも学びの機会を得ています。

企業の教育担当者は、従来型の研修やコーチングだけでなく、そうした「個」の学びの部分も提供しなければ、従業員がどんどん外に向かっていってしまうという危機感を抱いています。「帰属意識」が希薄になってしまうと懸念しているわけです。

働く人たちは、本当に自分にとって必要なもの・役に立つものしか選択しなくなってきています。だからこそ、企業側はパーソナライズされた教育を用意する必要が強まっています。「大勢のうちの一人」として画一的な教育をするのではなく、その人専用にカスタマイズした、その人にとって本当に必要な教育を提供する。それが会社に対するエンゲージメントを高めることにつながるでしょう。

――今後のビジネススキルトレーニングの展望を、どう考えていらっしゃいますか。

「衣食住行学」という言葉があります。これらは生きていく上で重要なもので、今はすべてデジタル化されてきています。このうち衣食住行は必ず物理的なものを含みますが、「学」だけはフルオンライン、デジタル化が可能です。

コロナ禍を機に研修のオンライン化が進んだことで、「学習は効率化できる」と多くの人が気付きました。ディスカッションやダイアログ、ビジョンの共有といったことは対面で行うとしても、皆が一堂に会して講義を聞くような集合研修はすべてデジタル化していくのが望ましいと考えています。

World Economic Forumの発表に、「2030年に最も影響を持っている企業はインターネットを使って人の教育を行う、今はない企業だ」というものがありました。学びは人生を大きく変えます。オンライン化によって人々の学びに格差がなくなれば、人類は新しいステージへ進み、それがピースフルな世界をつくるのではないか……と、私たちは真剣に考えています。

そんな世界を目指し、科学的裏付けのある手法を駆使して、皆さんのパフォーマンスを高める学びを支援していきたいですね。

――松田さん、ありがとうございました。

今後は、このようにパーソナライズ化されたオンライン学習システムが広がっていくでしょう。変化が激しい今の時代、多くのビジネスパーソンの皆さんが「今の仕事の延長線上に『安泰』はない」という危機感を抱き、キャリアの可能性を拡げるためのスキル習得へ動いています。

学ぶテーマだけでなく、「学び方」のトレンドにもアンテナを張って、より自分にマッチする、効率的な学習スタイルを見つけてはいかがでしょうか。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子
morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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