インタラクティブなスキルトレーニング・サービスが登場

しかし、ただ動画やウェブコンテンツを見るだけだと、学んだような気にはなるものの、しっかり身に付かないことも。当然、仕事のパフォーマンスにもつながりません。

この課題を、人工知能(AI)を活用して解決するサービスが登場しています。たとえば、ビジネスシーンで活用できるノウハウを10分間かけてインプットしたら、自分で実際にロールプレーをする。その様子を撮った動画を送ると、AIが診断して習熟度をフィードバックしてくれる。そのフィードバックをもとに改善のためのコーチングを受けられるといったサービスです。

世界203の国と地域で使われているラーニングプラットフォーム「UMU(ユーム)」は、インプット→アウトプット→AIや人によるコーチングを繰り返すことによって、パフォーマンスの向上を目指す、インタラクティブ機能を備えたクラウドサービスを提供しています。

そのAIコーチング機能の一例をご紹介しましょう。「プレゼンテーション」のトレーニングサービスでは、ウェブカメラに向かって数分間のプレゼンをすると、「スピード」「明瞭さ」「ジェスチャー」「表情」「アイコンタクト」「流暢(りゅうちょう)さ」の6指標について5点満点で採点されます。プレゼンのスクリプト全体や、スクリプト内で話したキーワードの抽出により、100点満点で理解度について採点を受けることが可能です。ユーザーはフィードバックの内容を意識しながら何度も繰り返し行うことで、スコアが高まり、プレゼンスキルが身に付いていくのです。

既に多くの教育ベンダーがUMUを活用した「ロジカルシンキング」「コミュニケーションスキル」など、テーマごとのプログラムを提供しています。

この機能を企業の研修に導入する場合、その企業に必要なスキルをベースにコンテンツをカスタマイズすることが可能です。たとえば、プレゼンスキルのトレーニングをする場合、その企業の製品・サービスの特徴をしっかり伝えられているかどうかが判定されるというわけです。

「社員研修」に対し、企業が抱える課題・ニーズ

近年、この「UMU」を活用したトレーニングを導入する企業が増えています。

日本でUMUを提供しているユームテクノロジージャパンの代表取締役・松田しゅう平さんに、今、ビジネススキルトレーニングの世界で何が起きているのかを聞きました。

――昨今、企業では「社員研修」において、どんなニーズが高まっているのでしょうか。

多くの企業が抱える悩みとして、「研修で教えたことが社員のパフォーマンスにつながっている実感がない」という声を多く聞きます。研修でインプットしたことを、仕事でアウトプットできるようにならなければならない。そのフォローをするのは、本来ならば現場のリーダーやマネジャーですが、多忙でそんな余裕がないのが現実です。また、コロナ禍以降に増えたリモートワークでは、上司が横に付いて常にチェックすることもできません。

そこで、企業が従来行ってきた集合研修やeラーニングなどのプログラムはそのまま活用するとして、UMUで「研修後にアウトプット(練習)させる」というステップを差し込むのです。単独学習だと、間違った理解のまま練習をしてしまうこともあるので、AIがリアルタイムでフィードバックします。リーダーやマネジャーは最終フィードバックだけをすればよい仕組みです。当社は、AIと人のコンビネーションにより、ポイントを押さえたトレーニングができるようにすることによって研修効果を高める支援をしています。

今の時代は変化のスピードが速い。従業員に製品・サービスの研修をしても、翌月には新機能が追加されたり、まったく新しいサービスがリリースされたりすることもあります。つまり、研修プログラムの「経年劣化」のスピードも速くなっているのです。集合研修ではとうてい追いつきません。そのため、知識や情報を早期にアップデートして、パフォ―マンスにつなげる学習が必要とされているわけです。

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