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都内実力派2店が映す 2021年のラーメン界のトレンド

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大で、生活様式の大幅な変更を余儀なくされた2020年。そんな激動の年が終わり、新たな年を迎えたと思いきや、11都府県を対象に緊急事態宣言が再発令された。発令対象となった首都圏や関西圏はもちろん、全国的にまだしばらくは大変な日々が続きそうだ。

とはいえ、ラーメン業界はたくましい。そんな状況下にあっても、いや、そんな状況下だからこそ「お客さんに少しでも元気を分け与えたい」と、例年よりは少なめながらも、新店が着実にオープンしている。

複数の新店がオープンすると、そこに共通する傾向、いわゆる「トレンド」が見えてくる。

昨年後半から今年にかけてオープンした店舗群からその「トレンド」を紐(ひも)解くと、2つの傾向がうかがえる。(1)出汁(ダシ)のうま味をフィーチャーした(出汁系の)、(2)どことなく懐かしさを感じさせるオーソドックスなラーメン(ネオクラシックラーメン)を提供する店が目に見えて増加しているのが分かる。

そこで、今回は、それらの「トレンド」にズバリ当てはまる2つの新店を紹介したい。まずは東京・恵比寿の『手打親鶏中華そば綾川』、お次は足立区西新井の『麺屋龍』だ。この2店は今後、高い人気を確実に獲得しそうな期待の新星。できれば、今のうちにマークしておきたいところである。

◎手打親鶏中華そば綾川(恵比寿)

 ~昨年12月のオープン以降、日々大行列。国産親鶏を駆使したネオクラシック!~

池袋、新宿、高田馬場などと並ぶ都内屈指のラーメン激戦区として名を馳せる恵比寿。そんな激戦区に2020年12月下旬、オープンした。その店の名は『手打親鶏中華そば綾川』。

同店は、飲食業などを営むFF Diningが経営する。親鶏の名産地として知られる香川県綾歌郡綾川町で生まれ育った一団が、東京でラーメン職人と出会い、共同で中華そばを開発。その中華そばを提供する店が、この『綾川』なのだ。

都内で若鶏ではなく、親鶏をスープの素材としたラーメンを提供する店は、数えるほどしかない。全国的にも、親鶏をチャーシューとして用いる岡山県のご当地麺「笠岡ラーメン」など、ラーメン文化にいまだ「親鶏」という素材の使用が根付いていないこともあり、同店は、オープン初日から長蛇の列ができる人気店に。開業から約1ヶ月が経過した今もなお、1時間待ちは当たり前という盛況ぶりには驚く。

店のドアをくぐるとすぐ右手に券売機が鎮座。左上に看板メニュー「手打親鶏中華そば」のボタンがあり、その後に「かき揚げ小丼」「本わさび小丼」「親鶏飯」等のボタンが並ぶ。

提供する麺メニューは「手打親鶏中華そば」のみという潔いラインアップ。例外はあるが、基本的に麺メニューを絞り込んでいる店は、良店である場合が多い。

カウンターのテーブルは畳張り。開店以来、大勢のお客さんが訪れているにもかかわらず、汚れひとつ見当たらない手入れの行き届きよう。ラーメンの味のみならず、店内の清掃の徹底ぶりも垣間見え、このご時世だからなおのこと好感が持てる。

着席してから数分。丁寧な所作で提供される「手打親鶏中華そば」は、スープ、麺ともに異次元の出来栄え。国産親鶏からじっくりと丁寧に出汁を採ったスープは、その奥深い滋味がうま味の稜(りょう)線をくっきりと描く。ひと口啜(すす)った瞬間、ほっぺたが落ちそうになる。スープの表層を覆う鶏油のクオリティーも抜群で、口内で鶏ベースのスープとピタリと一体化し、両者が創出するうま味と香りは、まさに鶏系淡麗の「答え」と言うべき仕上がりといっていい。

このスープに合わせる麺も、完成度の高さは凄(すさ)まじい。早朝から青竹で手打ちし、丹念に手切りを施したモッチリとした食感の麺は、どことなく讃岐の手打ちうどんを彷彿(ほうふつ)とさせ、箸を持つ手が止まらない。手打ち麺ならではの立体感のある舌触りも、シンプルなスープを引き立てる格好の触媒として、しっかり機能している。

コリっと硬質な食感が心地良い親鶏のモモ肉、きっちりと下味が施されたメンマなどトッピングにも死角はない。今後、知名度の上昇とともに人気が出そうな予感大で、訪問するなら、今がチャンスだ。

◎麺屋龍(西新井)

~足立区の閑静な住宅街にネオクラシックの新星が登場!毎日でも食べたくなる1杯~

この店の最寄り駅・谷在家駅は、東京都交通局日暮里・舎人ライナーの駅のひとつだ。1日平均乗降客1万人強という、都内にしては比較的小さな駅で、周辺には閑静な住宅街が広がる。

2020年12月初め、そんな谷在家の住宅地の一角にオープンしたのが、『麺屋龍』だ。店主の梨本龍二氏は、イタリアン業界から、都内の有名店で3年の修業を経て今般、満を持して独立した経歴の持ち主。

「コロナ禍で暗くなった世の中。独立して、自分が手掛けたラーメンを召し上がっていただき、少しでもお客さんに元気になってもらいたい」という思いから、開業を決意したという。

現在、『麺屋龍』が提供する麺メニューは、醤(しょう)油ラーメンの「臥龍」、塩ラーメンの「蒼龍」を筆頭に、「九頭龍(まぜそば)」や、季節限定メニューの「土龍(味噌)」など。

いずれのメニューにも、屋号と同じく、店主の名前「龍」の一文字が織り込まれている。食べるだけで運気がアップしそうな気がするのは、私だけだろうか。

基本メニューは、券売機左上の「臥龍(醤油)」。スープを構成する素材は、鶏ガラ・豚背ガラ・丸鶏・鰹(カツオ)・煮干し・昆布等。手間ひまを惜しまず、「素材の持ち味を最大限生かし切るため、素材ごとに別々の寸胴で出汁を採った後、それらを合わせてスープを作る」。加えて、「丸鶏の出汁は、芳醇な風味と奥深いうま味を生み出すべく、一晩寝かせるようにしています」とか。

そのような工程を経て作られたスープは、梨本店主が仰るとおり、確かに、天然素材の魅力を余すところなく引き出し、丸みのある味わいが印象的である。

序盤は、鶏・豚の豊潤なコクが先行するが、食べ進め、スープ温が低下するにつれて徐々に浮かび上がる鰹・煮干しの和風味。うま味の主役が刻々と変遷するスープにはストーリー性があり、最後まで食べ飽きることがない。

このスープに合わせる麺は、スープとの相性を考え抜き、大田区の『東京製麺』から取り寄せたもの。細麺は小麦粉「春よ恋」を100%使ったもので、手揉み麺は、福島県喜多方市出身の製麺所の工場長がこだわり抜いて開発した逸品。

手揉み麺は、メリハリ豊かな食感を演出すべく、注文を受ける度、店主自ら手揉みを施した上で提供される。瑞々(みずみず)しさのある多加水麺は、まるでスープの一部と化したかのようになじみ、抵抗なく食道へと流し込める。手揉みがもたらす食感の心地良さに、麺を啜る醍醐味を改めて実感させられた。

食べ終わり、店を出る頃には「近々『蒼龍(塩)』を食べに再訪しよう」と、次回の訪問の算段まで立てる自分がいた。遠からぬ将来、間違いなく人気店になるはず。そんな確信を抱かせてくれた新進気鋭店の一つだ。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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