要点3 自分を深く理解すると自由に生きられる

感情をうまく解放できない人もいる。多くは「こうしなければならない」という、「must」の気持ちに縛られているためだ。あるがままの気持ちを明かせないせいで、孤独に悩んだりする。著者は患者との対話のなかで、今までの人生を振り返り自分への理解を深めることを促す。これをじっくり行うことで「must」から解放され、生まれ変わったように自由に生きるようになる人は多い。「何歳になっても人は変わることができる」と著者は断言する。

要点4 自分の「must」に反抗する訓練を

自分らしく生きている実感のない人は、きっと「must」に縛られている。やりたくない仕事を義務感だけで引き受けるなど「must」に従ってばかりいると、生きる活力を奪われる。「こうしたい」という「want」の声に耳を傾け、今の自分にとって心地いいことをする(「must」に反抗する)訓練をしよう。自分の「want」が分からない人は、何を買うかを決めずに書店やコンビニなどに行き、心がわくわく反応したものを買ってみよう。

要点5 「人生=旅」の終着点 死は恐れなくていい

死について深く考えると、さほど悪いことではないと思えてくる。著者は死と向き合う過程で「人生は1回限りの旅」という言葉を知り、「ならば死は旅の終着点にすぎない。くよくよ考えずに思い切りやればいいじゃないか」と開き直れたという。死を恐れる理由(死ぬまでの苦痛、自分が死ぬことで生じる問題、自分が消滅することへの恐怖など)を一つひとつ整理することでも、恐れは薄まる。例えば闘病の苦痛は、緩和医療の進歩で大いに軽減している。

(手代木建)

[日経ウーマン 2021年1月号の記事を再構成]

もしも一年後、この世にいないとしたら。

著者 : 清水研
出版 : 文響社
価格 : 1,078 円(税込み)

ビジネス書などの書評を紹介