洋と和の魅力が漂う京都悠洛ホテル Mギャラリーのロビー

和の伝統を守る都というイメージがある一方で、西洋で培われた美意識が日本で昇華するのも京都ならではの持ち味だろう。京都にはフランス本拠のホテルチェーン「アコー」のプレミアムホテルブランド「Mギャラリー」が2軒もあり、共にインテリア、料理、サービスなど和魂洋才を感じさせるホテルになっている。

日本初上陸の「京都悠洛ホテル Mギャラリー」は2019年春、三条大橋のたもとにオープン。衣紋掛けにペルシャ絨毯(じゅうたん)が飾られ、和を感じるランプが美しいロビーからは、地下から高く伸びる竹が望める。ゲストはここで、京都生まれの胡粉ネイルを楽しんだり、部屋に持ち帰るアロマを選んだり。

一方、二条城を見渡す地に2020年秋に開業した「京都悠洛ホテル二条城別邸 Mギャラリー」は、わずか25室のエクスクルーシブラグジュアリーホテルだ。京都の路地を思わせるようなアプローチからドアを抜けると日本庭園が広がるロビーが印象的。黒い玄武岩の大きなテーブルに映り込む樹々が、さながら水墨画のようでもある。そこにレザーのインテリアやバカラのグラスが違和感なく溶け込んでいる。

モダンな空間に漆喰壁に朱塗りのインテリアが美しさを添える京都悠洛ホテル二条城別邸 Mギャラリーの客室

すべての客室から日本庭園や二条城が望め、ナチュラルモダンな木の床や漆喰(しっくい)壁に、壁の漆塗りのテレビカバーや家具の朱色が差し色になっている。ここでも窓からの眺めが、バルコニーの黒の鏡面仕上げの壁天井に映り込み、洋の造りと和のセンスが融合し美しい。

ホテル内レストラン「Singular 眞蔵」では、アラン・デュカスとピエール・ガニェ―ルというフレンチの巨匠の下で修業し、2016年から4年連続ミシュラン一つ星を獲得した大久保晋氏が総料理長として腕を振るう。京都の豆腐や味噌、野菜を中心に、奈良の宇陀金ごぼう、北海道の百合根などこだわりの食材に加え、土佐のあか牛に合わせネパール胡椒を選ぶなどベストなものを和洋から選んでいる。

古きものの中に新しさを、洋の中に和の美意識を、そんなところに京都らしさを見た気がした。

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小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。