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和洋と新旧 うまく溶け合う京都の注目スポット3選

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NIKKEI STYLE

「千年の都」と呼ばれる京都。伝統に培われた佇(たたず)まいやこだわりがある一方で、進取の精神があるのも実は京都の気風だ。英国のジン造りを京都で生かしたり、京菓子店がカフェを開いたり、はたまたフランス系の和魂洋才のホテルが誕生したり。注目のスポットを訪ねた。

京都市役所から北に歩いて5分ほど。古い町家にかかるのは「季の美」の暖簾(のれん)と英文の看板。ここは、英国人デービッド・クロール氏が創業したジャパニーズ・クラフトジンを作る京都蒸溜所のブランドハウスとして2020年6月に開業した「季の美 House」である。

「季の美」は、ジンでは初めてのライススピリッツをベースに、京都伏見の清酒「月の桂」の仕込み水をブレンド水として使用。ジンのうまさや個性を決めるフレーバーは、柚子(ユズ)や玉露などのボタニカル素材11種類を用い、ほとんどが京都産を中心とした国産だ。香りや味わいが異なる6種類の原酒をブレンドし、柚子の香りや山椒(サンショウ)の香味、お茶の深い余韻が漂うこれまでにないクラフトジンに仕上げている。

季の美 Houseでは、限定商品も置かれたショップや季の美を味わえるバーの他に、季の美ができるまでや、ジンの歴史を学べるスペースや会員制のバーも備える。京都に根ざした世界観がインテリアにも表現されており、壁紙は江戸時代から続く京都の唐紙屋「雲母唐長(KIRA KARACHO)」、テキスタイルは西陣織の老舗「細尾」のものを取り入れている。

会員制のバー「ジンパレス」は、英国ビクトリア調のインテリアと日本庭園が、英国と京都を融合した寛(くつろ)ぎの空間を演出。英国人が日本で造るジンの場として選んだ京都は、伝統と新たな試みを受け入れるのにぴったりの地だったわけである。

なお「季の美 House」は緊急事態宣言の再発令により当面の間、テイスティングやジンパレスの営業を中止し、ショップのみ営業中という。

京都・西陣の京菓子店「本家玉壽軒(たまじゅけん)」は、江戸後期に綴織の井筒屋が機仕事のかたわらに置いていた一文菓子が好評で、幕末に京の菓匠に名を連ねたそう。大正時代の中ごろに、道路拡張に伴い本家が今出川大宮に移転。元本家だった地で1938年(昭和13年)に創業し、独立したのが「千本玉壽軒」だ。

千本玉壽軒の銘菓は大覚寺や仁和寺などの寺院の御用達としても知られる。現在3代目の当主、元島真弥氏は裏千家に入門して20年。茶道にも通じているが、「お茶をもっと身近に楽しんでもらえたら」という思いで2020年秋、千本玉壽軒の並びに「茶寮SENTAMA」をオープンした。

入り口に手水鉢があり、靴を脱いで二階へというのが、どこか茶の湯に招かれた気分にしてくれる。手前にカウンター、奥は梁(はり)や床柱など昔ながらの木造家屋の趣だが、テーブル席が並ぶ。ユニークなのは、和菓子をその場で仕上げてもらえるところ。季節をテーマにした繊細な京の和菓子を、菓銘の由来や素材についての説明も聞きながら、椅子席でゆっくりと味わえる時間は格別だ。

壁際に並ぶお茶わんの中から好きなものを選び、目の前でたててもらったお茶を楽しめるのも「おもてなし」を感じる。当主の熱い思いがたっぷりと詰まった茶寮である。

和の伝統を守る都というイメージがある一方で、西洋で培われた美意識が日本で昇華するのも京都ならではの持ち味だろう。京都にはフランス本拠のホテルチェーン「アコー」のプレミアムホテルブランド「Mギャラリー」が2軒もあり、共にインテリア、料理、サービスなど和魂洋才を感じさせるホテルになっている。

日本初上陸の「京都悠洛ホテル Mギャラリー」は2019年春、三条大橋のたもとにオープン。衣紋掛けにペルシャ絨毯(じゅうたん)が飾られ、和を感じるランプが美しいロビーからは、地下から高く伸びる竹が望める。ゲストはここで、京都生まれの胡粉ネイルを楽しんだり、部屋に持ち帰るアロマを選んだり。

一方、二条城を見渡す地に2020年秋に開業した「京都悠洛ホテル二条城別邸 Mギャラリー」は、わずか25室のエクスクルーシブラグジュアリーホテルだ。京都の路地を思わせるようなアプローチからドアを抜けると日本庭園が広がるロビーが印象的。黒い玄武岩の大きなテーブルに映り込む樹々が、さながら水墨画のようでもある。そこにレザーのインテリアやバカラのグラスが違和感なく溶け込んでいる。

すべての客室から日本庭園や二条城が望め、ナチュラルモダンな木の床や漆喰(しっくい)壁に、壁の漆塗りのテレビカバーや家具の朱色が差し色になっている。ここでも窓からの眺めが、バルコニーの黒の鏡面仕上げの壁天井に映り込み、洋の造りと和のセンスが融合し美しい。

ホテル内レストラン「Singular 眞蔵」では、アラン・デュカスとピエール・ガニェ―ルというフレンチの巨匠の下で修業し、2016年から4年連続ミシュラン一つ星を獲得した大久保晋氏が総料理長として腕を振るう。京都の豆腐や味噌、野菜を中心に、奈良の宇陀金ごぼう、北海道の百合根などこだわりの食材に加え、土佐のあか牛に合わせネパール胡椒を選ぶなどベストなものを和洋から選んでいる。

古きものの中に新しさを、洋の中に和の美意識を、そんなところに京都らしさを見た気がした。

※コロナ禍で営業内容などが変更されている場合があります。ご利用の際は事前にご確認下さい。

小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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