何を求められているかを知ることから始めよう

人事制度について理解する際には、まず評価の仕組みから知るようにしましょう。それは評価規程のような形式をとることが多いのですが、たとえばこのような記述があります。

(目的)第1条
弊社の評価制度は、等級に基づいて社員の行動・成果を適切に評価し、報酬への反映、昇進昇格判断、能力開発・育成に結びつけることを目的とする。
 
(成果評価)第2条
主に管理職に対して、全社計画を具体的に落とし込んだ成果に基づき評価を行うことを、成果評価とする。具体的目標を上司と部下で面談の上、個人別に目標設定をする。期中においては進捗チェックを行い、期末に目標達成度評価の面談を実施する。上司は、その結果を踏まえて、成果評価を行う。
 
(行動評価)第3条
主に一般社員に対して、求める人材像に基づく行動要件を定め、それに基づき期末に上司と部下が相互チェックを行い、上司は、その結果を踏まえて行動評価を行う。
 
(評価者)第4条
人事評価は原則として直属上司が担当する。
 
(評価の反映)第5条
管理職は成果評価結果を個人年俸に反映する。
一般社員は行動評価を月給に、成果評価を賞与に反映する。

このような評価規程の会社においては、一般社員の間は「行動要件」をしっかり読み込んでどのように対応すればよいかを考えれば、月給が増えやすくなることがわかります。また成果をしっかり達成していくことで、賞与が増えます。管理職になった際には年俸が増えてゆくのです。

しかしこのルールを知らないまま、与えられた仕事をまじめにこなしているだけではなかなか評価されません。たまたまとった行動が行動要件に合致していれば認められますが、意識していなければその確率は高くなりづらいでしょう。

やってはいけないことも人事制度でわかる

また、ほとんどの会社の就業規則には「懲戒の事由」という項目があります。厚生労働省のテンプレートに従うなら、このような記述があります。

(懲戒の事由)第a条
労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
(1)正当な理由なく無断欠勤がx日以上に及ぶとき。
(2)正当な理由なくしばしば欠勤、遅刻、早退をしたとき。
(3)過失により会社に損害を与えたとき。
(4)素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき。
(5)性的な言動により、他の労働者に不快な思いをさせ、又は職場の環境を悪くしたとき。
(6)性的な関心を示し、又は性的な行為をしかけることにより、他の労働者の業務に支
障を与えたとき。
(7)遵守事項 第b条に違反したとき。

つまり勝手に休んだり、遅刻や早退を繰り返したり、損害を与えたり、素行不良だったり、性的なハラスメントをした場合には、会社は従業員に罰を与えられるということです。

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今改めて人事制度を知るべき理由
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