企業自体が持続可能になる必要

――リーダーとして目標としている人はいますか。

「日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一です。彼は数多くの現代まで続く著名な企業を創設しました。渋沢は著書『論語と算盤(そろばん)』で、『利用厚生(ビジネス)と仁義道徳の結合』を目指し、『正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできぬ』と説いています。今のSDGsにつながるような、継続するビジネスのあり方を示していると感じました。二宮尊徳も、『道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である』と言っています」

「これまでの企業は利益を確保し、株主の利益を最大化することに目的と照準を定めてきたところが多かったと感じます。でも最近は従業員やステークホルダー(利害関係者)に照準を合わせた経営を目指す企業が増えてきています。まさにポストコロナに向けて、企業のあり方や経営の方向性を見直す時期を迎えていると言えます。企業は理屈では無く、実際の行動でその価値を示すことが必要です。それは道徳的な活動や社会貢献だけでなく、企業の売り上げや利益を上げる活動にもあてはまります。企業自体が持続可能にならなければいけません」

趣味は釣り。アフリカのウガンダを視察した際には、南部のビクトリア湖で大型魚ナイルパーチ釣りを楽しんだという

「私自身も元気に仕事を続けることを意識して、休みにはゴルフなどで体を動かしたり、ジムのスイミングにも行ったりしています。高校時代は柔道部で、先日久しぶりに母校で後輩と手合わせしました。『一番弱い下級生をあてますから』と言われたんですが、柔道着がこすれて、あっという間に体中にあざができてしまいました。柔道はもうやらなくてもいいかなと思っています」

――これからサラヤをどのように引っ張っていきますか。

「今、事業の中心となっているのは感染予防や食品衛生の分野です。商品で言えば洗剤や手指消毒剤です。この分野は今後も伸びていく市場だとみていますが、他の分野を大きくしていくことも考えなければいけません。例えば食品です。『健康』をキーワードに、健康と食品のようなこれまでサラヤになかった組み合わせで事業を進めたいと考えています。扱う商品や事業に多様性があるほうが、環境の変化にも柔軟に対応できるからです」

「米国では天然の甘味成分から作った人工甘味料が非常に好調です。コロナ禍もあって健康への意識が高まっているようです。ネット通販のアマゾンでの販売から始めてオーガニック系のスーパーマーケットに販路を広げ、今では米国のコストコの店舗に置いてもらえるようになりました。この人工甘味料を使ったシロップやパンケーキミックスなどの商品開発も進めています。顧客のニーズに合った商品をスピード感を持って開発して、どんどん投入していきたいのです。新分野の商品は米国だけでなく、欧州など世界に幅広く広げていこうと前向きに挑戦し続けるつもりです」

更家悠介
1951年三重県生まれ。74年阪大工卒、75年米カリフォルニア大学バークレー校修士課程修了。76年サラヤ入社。常務、専務を経て98年より現職。

(斎藤さやか)

<<(上)変化を起こすのがリーダー 全社員に毎週メッセージ

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら