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無印良品が住空間を強化 「黒い無印」でタワマン対応

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日経クロストレンド

2020年12月3日、関東地方で最大面積を誇る「無印良品 東京有明」がオープンした。従来の無印良品で扱う商品の販売はもちろん、部屋のリフォーム相談や戸建て販売まで手掛ける。物を売るだけでは小売業が立ち行かない時代の「無印良品の大型店」を見据えた第1号。その狙いを聞いた。

「無印良品 東京有明」は良品計画としては関東で最大面積となる。旗艦店である銀座店を上回る広さで、新潟県にある直江津店に次いで日本で2番目に広い店舗になる(2020年12月時点)。

「無印良品は今、全国津々浦々の生活者に寄り添った地域出店を加速させていこうとしている。一方で、東京・大阪といった都市部の人口密集地での大型店には、特別な役割がある。この東京有明店では、これからの店舗のモデルとなるよう物販を超えたサービス提供や、地域を超えた交流、コミュニティー活動、環境活動を推進していきたい」(店長の松橋衆氏)

東京有明店は、これらの役割を担う大型店第1号なのだ。「今回出店して、修正を加えながら、一つの型をつくっていきたい」と話す松橋氏。この店舗のスタイルが確立されたら、大阪、福岡、名古屋、札幌、仙台などの主要都市にも出店していきたいという。

特に力を入れているのが、無印良品として新たに提供する住まいに関するサービスや、環境に配慮した商品だ。これらを始める理由とは何か。

「物を売っているだけでは小売業は持たないと思っている。それもあって、住まいに関する新サービスを始めた。さらに、生活者一人ひとりの意識に頼るだけでなく、企業として環境活動を推進するため、洗剤の量り売りなどの新サービスを提供していく」(松橋氏)

収納用品からリフォームまで一気通貫でカバー

今回の店舗で最も注目すべきは、2階の住空間のフロアだろう。インテリア、収納、全面リノベーション、部分リフォームの相談や、DIYや片付けのサポート、戸建ての相談など、住まいに関することを扱っている。

これまでも収納用品や家具、家電などは扱っていたが、住宅に関するサービスをここまで拡充するのはなぜなのだろう。

「新型コロナウイルス感染症の流行で、在宅ワークが広がってきた。無印良品ではちょっとしたパーティションの販売や全面リフォームを行っていたが、それだけではお客様のニーズに応じきれない。間取りを変えたい、部屋の雰囲気を変えたいなど、生活の変化に合わせて気軽に暮らしを変えたいというニーズが潜在的にかなりあったため、無印良品としてご提案できたらと考えた」(松橋氏)

無印良品ならではの住まいのサービスとは、どんな強みがあるのだろうか。

「我々が考えているリフォームは、見た目を整えるだけではない。例えば棚やキッチンを無印良品でリフォームすると、うまく間取りに収まり、内装デザインともマッチし、さらに棚や引き出しの内寸が、販売している収納用品のモジュールと合うようになっている。変な隙間を残さないし、使い勝手も考えている。単品から空間まで、無印良品のグランドデザインでつなげることができる。一気通貫で、トータルでカバーできるのがメリットだ」(松橋氏)

松橋氏は、「"単品"を売っているだけでは、本当にその人の趣向や価値観に合った暮らしを提供できていないと以前から感じていた」と話す。1日24時間をいかに快適に過ごすかと考えたときに、"空間"に対して商品提案やサービス提供をしていく必要があると行き着いたそうだ。

有明タワマン住民の声から生まれた「黒い無印」

東京有明店のメインターゲットは、まずは周辺の有明地域の住民だ。開業前から1年かけて、地域住民へのインタビューや座談会をしたという。しかし、無印良品の熱烈なファンは多くはなかったと松橋氏は話す。

「無印良品のユーザーの方がいらっしゃったとしても、食品や子供服のみの利用だった。この店で力を入れている住空間に関するアイテムで、無印良品を使っている人はあまりいなかった」(松橋氏)

理由は、タワーマンションにあった。無印良品はシンプルでナチュラル志向のデザインが多いが、有明エリアで増加中のタワーマンションに多いモノトーンの内装には合いにくいというのだ。そこで生まれたのが、「無印良品の黒」のコーナーだ。

「有明では無印良品の家具や家電があまり使われていないことを受けて、黒い無印の企画を立ち上げた。タワーマンションの内装はモノトーンなので、無印が得意とするナチュラルなデザインはややミスマッチ。『無印良品の黒』のコーナーに置いてあるのは、新しく作った黒いアイテムと、既存の黒いシリーズ。それぞれ半々ぐらいだが、無印良品で黒の世界観をつくるのは初めての試み」(松橋氏)

企業として社会課題を解決していきたい

記事の冒頭で書いたように、無印良品は今、地方への出店に力を入れている。理由は、無印良品の商品やサービスを満遍なく行きわたらせるためと、人口の少ない地域を活性化させるためだ。「高齢者が多い地域を元気にしていきたい」と話す松橋氏は、企業としての地域活性化の取り組みを、東京有明店という地の利を生かして進めていくという。

「有明からは、東京湾アクアラインを通って、約1時間で千葉県の房総に行ける。房総は高齢者が多く、過疎化も進み、空き家問題も深刻な地域。一方で、海も山もあり、空気がおいしい地域でもある。有明の都市部に住む人たちに、房総の自然に触れる機会をつくれたらと思っている」(松橋氏)

無印良品では、房総にある農園の作業に参加するイベントや、地元野菜を使った料理を作るイベントを開催している(現在はコロナ禍により休止中)。

また、東京有明店では、店内に戸建てのモデルルームがあり、「無印良品の小屋」の相談も受け付けている。これも、地域活性化に対する無印良品としての取り組みの一環だそうだ。

「自然豊かな房総に家を構えてリモートワークで生活する提案もしていきたい。都市部だと平屋は建てにくいし、無印良品の小屋の利用価値はそれほど感じられないかもしれない。でも、房総だったら需要があるはず。二拠点居住もありでしょう。都市部だけではなく、自然豊かな『地方』での『暮らし』も、無印商品として提案していきたい」(松橋氏)

また、環境に配慮した商品として、洗剤の量り売りを導入した。無印良品の洗剤4種類を、100ミリリットル単位で量って販売する。空の飲料ペットボトルや、無印良品の洗剤の空ボトルなど、容器をお客に持参してもらい、中身を販売する仕組みだ。このサービスについて、松橋氏は「お仕着せではない、それぞれの暮らしに合ったものを提供することに意味がある」と話す。

「量り売りに限らず、もっと暮らしや働き方を快適にし、なおかつ地球や社会が良い方向へ向かっていくような『空間商売』をしていくなかで、東京有明で行っている物販を超えたサービス提供や環境活動の推進の一つと位置付けている。量り売りは食品でも行っている。食べる量や使う量は人やご家庭、時によっても違うので、最小単位で販売し、一人ひとりの『適量』に応えたい」(松橋氏)

地域活性化や環境という社会課題があり、企業として取り組んでいく。その達成のために、無印良品らしいデザインの小屋や戸建ての販売をし、それを店舗で実際に見ることができる。また無駄を極力減らすように量り売りも手掛け、企業としてのメッセージも強く発信している。無印良品流のデザイン経営の一端を垣間見ることができる。

デザイン経営がうまくいっている理由を、松橋氏は「人」だと分析する。「地域活性化という企業のビジョンを達成するために、住空間領域の営業体制を整えた。住環境の領域の販売スタッフ、子会社のMUJI HOUSE、商品開発に携わっている人から、スキルのある人間を選抜して集めた。売り場づくりや新しいサービス提供をするだけでなく、優れた応対力や提案力がないと、サービスのクオリティーは上がっていかないからだ」(松橋氏)。

さまざまな地域の人に、満遍なく無印良品を届けたいと松橋氏は言う。店舗を出店して物を売るだけでなく、新たな形で無印良品のサービスが広がっていきそうだ。

(ライター 梶塚美帆、写真 稲垣純也)

[日経クロストレンド 2021年01月04日の記事を再構成]

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