存在感高まるChromebook 教育向け躍進、シェア24%へ大河原克行のデータで見るファクト

Chromebookの例。外観はWindowsノートと変わらない。写真はレノボ・ジャパンのThinkPad C13 Yoga Chromebook

2021年は「Chromebook(クロームブック)」の存在感が高まる1年になりそうだ。

調査会社MM総研(東京・港)によると、19年には15万台だったChromebookの国内出荷台数は20年には157万1000台と10倍以上に増えた。21年にはさらに8割増の281万5000台の出荷が見込まれている。これは国内ノートパソコン(PC)市場の24%を占める計算で、4台に1台がChromebookになる。19年にはわずか1%の構成比であったことを考えると、いかに急激に増加しているかがわかるだろう。

日本では、日本HPやレノボ・ジャパン、デル、NECなどがChromebookを発売。実売2万円を切る製品から10万円前後の製品まで、ラインアップは幅広い。

Chromebookとは、米Google(グーグル)が無償で提供するOS(基本ソフト)「Chrome OS」を搭載するノートPCのこと。電源を入れると数秒で起動する上に、Windowsのスタートボタンに相当する「ランチャー」からすぐにアプリを利用できる。加えてOSの更新をバックグラウンドで自動的に行っており、常に最新のセキュリティー環境を利用できる。グーグルは、「セキュリティー、スピード、シンプル、スマート、シェアビリティー(共有)の5つの『S』がChromebookの特徴」としている。

学校での導入相次ぐ

では、なぜ、Chromebookが急増しているのか。背景には、政府が推進している「GIGAスクール構想」がある。GIGAスクール構想とは、全国の小中学校の児童生徒に1人1台の学習端末を配備するというもので、750万台以上の端末の新規導入が見込まれている。21年3月までに小中学校での整備が進められる。

GIGAスクール構想では、Windows PC、Chromebook、iPadの中から、それぞれ決められた仕様の端末が導入できる。仕様に準拠した端末であれば1台当たり最大4万5000円の政府補助金が出る。

これまで教育分野では、Windows PCが約8割のシェアを獲得していたが、GIGAスクール構想による導入では一転してChromebookが約5割のシェアを獲得しているとみられる。東京都豊島区や同町田市、川崎市、相模原市、兵庫県姫路市、奈良県など、GIGAスクール構想による端末導入でChromebookを選択する事例が相次ぎ、この動きが全国に拡大しているからだ。

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