平成は「翔平」、令和は「大和」 改元効果は急速に希薄に

ところが平成になると、改元の影響がめっきり薄くなる。あえて関係がありそうな名前を探すと、平成の「平」と人気の高い「翔」を組み合わせた「翔平」がランキングに顔を出す程度。「翔平」は前年の52位からトップテン入りしたので改元の影響が大きかったと思われるが、そのほかの名前は見当たらず、大正や昭和とは明らかに趣が異なってくる。平成4年以降、「翔平」がトップテンに入ることもなく、「成」がつく名前も見当たらない。

令和になっても、平成と同様、改元の影響は少ない。トップテンを見ると、「令」や「和」を取り入れた名前は、「大和」が令和2年に9位に食い込んだだけ(令和元年は13位)。「令」を取り入れた名前は上位100位圏内に1つもなかった。一字名が流行しているので「令」などの名前がランク入りしても良さそうなものだが、名付けと改元を結び付けること自体がすでに時代遅れ、古臭いなどと思われているのかもしれない。

大正は「正子」、昭和は「和子」「昭子」が上位に

女児名についてはどうだろうか。やはり男児名と似た現象が読み取れる。

明治から大正への改元では、「正子」が4位(大正元年)、首位(大正2年)とトップテン入りした。ただ大正3年にはトップテン圏外に脱落している。女児名は総じて流行や人気が男児名よりも多彩で、改元の影響とみられる名前が比較的少ない傾向があるようだ。

大正から昭和への改元では、「和子」が6位(昭和元年)、首位(昭和2年、3年)とトップテン入り。「和子」は昭和14年まで13年連続で首位に君臨するなど黄金期を築き上げた。このほか「昭子」も2位(昭和2年)、5位(昭和3年)とランキングに顔を出している。

この頃の女児名は「○子」が圧倒的に主流で、改元に関連する名前の種類は男児名ほど多くない。だが改元は「和子」など時代を象徴するような人気の高い名前を生み出した。「和」を尊ぶ日本人の人生観や美意識にうまく合致したことなどが要因になったと考えられる。

女児名への影響はより希薄 平成は「成美」、令和はゼロ

だが平成以降、名付けと改元との関連性は急速に薄れてゆく。昭和から平成への改元では、トップテンを見ると、「平成」の「成」を取り入れた「成美」が平成元年に4位に入っただけ。平成から令和への改元では、令和元年、2年で「令和」に関連した名前はトップテンに見当たらなかった。特に女児の場合、生まれた年代がそのまま推測できるような名前はあまり好まれないのかもしれない。

いずれにしても、時代を経るごとに、男児名も女児名も改元による影響が大幅に薄れてきているのは間違いないようだ。(編集委員 小林明)

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