肩書は要りません 持ちたいのは自分の色々な「側面」Creative Project Base代表 倉成英俊さん

Creative Project Base代表 倉成英俊さん
Creative Project Base代表 倉成英俊さん

次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つ記事を紹介します。今回は元電通社員で、プロジェクトデザイン会社Creative Project Base代表を務める倉成英俊さんに、「肩書」をテーマに語ってもらいます。

まず、私は肩書が嫌いです。もう少し丁寧に言うと、肩書そのものに罪はないと思っていますが、「肩書が好きな人」が嫌いです。肩書は「人に貼られたラベル」であり、それによって人を見る人が嫌いなのです。「そうだそうだ、私もそう思う!」と言う人もいるでしょう。ところがどっこい、世の中はそうはできていません。

人をポジションで見る、学歴で見る、所属する組織で見る……。人間の脳みそは単純でわかりやすいことを好む習性があるため、インターネットの隆盛とともに、どんどん自己PR時代に突入していっているように感じます。

肩書を複数持つ必要はありますか?

社会が大きな変化にさらされる中で、「肩書は複数持っておいたほうがよい」という声が聞かれるようになりました。実際に複数の肩書を持ち、自分のビジネスを上手に拡大させている人もいます。しかし、そもそも肩書を複数持つ必要はあるのでしょうか?

私の仕事は「企画」です。企画とは「価値を生むこと」なので、いいことを思いついたり、いいことを見つけたりしなければいけません。つまり、有形無形を問わず、目利きでなくてはならないということです。誰かがすでに良いと言っているものや、見かけが良くて中身がないモノを重宝したりつかんだりしているようでは、仕事になりません。

見てくれで人を判断する人は、これからの人やコトを「抜てき」できません。誰も目をつけていない原石を、磨いて宝石にすることはできません。しかし肩書などの自己PRばかりで、実力のある人は少ないように感じます。

肩書を複数持つ必要はありません。複数どころか一つも要らないのではないでしょうか。では、「何」だったら複数持つ必要があるでしょうか。

私は人間としての「側面」なら、いろいろあったほうが面白いと思います。そもそも側面は「持ったほうがいい」と言う前に、言われなくてもみんないろいろ持っているものです。職業はもちろん、性別、年齢層、出身国、出身地、血液型、性格、趣味、特技、利き手、長男である、親である、好きな食べ物、住んでいる場所。

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側面こそ複数あると魅力が生まれる