言い訳の仕方でモチベーションがわかる

内的統制型の人は、物事の成否を決めるのは自分自身の能力や取り組み方だとみなす思考習慣を身につけています。すなわち、自分が能力を十分に発揮できれば良い結果が出るはずだ、一所懸命に頑張ればきっと良い結果がついてくるはずだと考え、うまくいかないときも、十分に力が発揮できていないからだ、やり方をもっと工夫すれば何とかなるのではないかなどと考えるため、高いモチベーションを維持することができます。そして、成功確率を高めるために、仕事に必要な知識を身につけようと勉強をしたり、視野を広げるために幅広く情報収集をしたり、地頭を鍛えるため直接仕事に関係ない読書をしたりして、能力開発に励みます。

それに対して、外的統制型の人は、物事の成否を決めるのは状況や運や他人の力であって、自分にはどうすることもできない力が働いているとみなす思考習慣を身につけています。そのためモチベーションは低く、能力開発も疎かになりがちです。自分の頑張り次第で成功への道を切り開いていけるといった発想がなく、思うような成果が出ないとすぐに諦めてしまいがちです。

ゆえに、どのような言い訳が多いかでモチベーションが高い人物かどうかを見分けることができます。

思うような成果が出ないとき、不景気だからとか、ライバル社の攻勢が凄まじかったとか、相手方の担当者との相性が悪かったなどと、外的要因を持ち出して言い訳する人物は、概してモチベーションが低いとみなしてよいでしょう。一方、やり方を間違えたとか準備不足だったというように内的要因を持ち出して言い訳をする人物は、モチベーションが高いとみなすことができます。

榎本博明
MP人間科学研究所代表、心理学博士。
1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学助教授等を経て、現職。主な著書に『伸びる子どもは○○がすごい』『「上から目線」の構造』(日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困っている』(平凡社新書)など多数。

※「ビジネス心理学大全」(日本経済新聞出版)は「モチベーションの心理学」のほか、「人事評価の心理学」「職場の人間関係の心理学」「マーケティングの心理学」「リーダーシップの心理学」の4つの章で、ビジネスに生かせる心理学を解き明かしています。

ビジネス心理学大全

著者 : 榎本 博明
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 1,760円 (税込み)

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