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写真はイメージ =PIXTA

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「心の法則を読み解く心理学は、ビジネスのあらゆる局面にかかわってくる」。心理学者であり、MP人間科学研究所代表を務める榎本博明氏はこう話します。心理学の知見をビジネスの様々な局面で生かせるようにQ&A形式でまとめた最新刊『ビジネス心理学大全』(日本経済新聞出版)から、「chapter1 モチベーションの心理学」の章を紹介、「どうしたらやる気が高まるのか」を考えていきます。

Question
 モチベーションがやたら低い従業員がいて困っています。ミスをしても自分の落ち度を認めず、ノルマを達成できなくても自分の努力不足とは思わず、すぐに言い訳をします。モチベーションの高い従業員はあまり言い訳をしないように思います。言い訳するかどうかで、モチベーションの高い人物と低い人物を見分けることはできるのでしょうか?

結論から言えば、言い訳とモチベーションの間には密接な関係があります。ただし、言い訳をする人物はモチベーションが低く、言い訳をしない人物はモチベーションが高い、というような単純なものではありません。言い訳の中身が問題です。

ある経営者は、モチベーションが低くて困る従業員について、つぎのように言います。

「何かにつけて言い訳が多いんですよ。先日も、顧客対応がまずくて相手を怒らせてしまったのですが、いくら対応のまずさを指摘しても、先方の言い分がおかしかったからというような言い訳ばかり。自分の落ち度に気づいて、そこを今後修正してくれればいいんですけど。なかなか反省してくれなくて困ります」

別の経営者も、モチベーションの低い従業員について、つぎのように嘆きます。

「他の従業員は、営業成績が悪いと、自分の営業の仕方をさらに工夫しようと頑張るんですけど、その人物は、担当している地域が悪いとか、今回は運が悪いことが重なってうまくいかなかったとか、言い訳ばかりで自分のやり方を振り返ろうとしないんですよ。あれじゃ成長しないし、ほんとにお荷物社員です」

このような人物の特徴は、ミスをしたり、ノルマを達成できなかったりしたとき、その原因を自分以外の要因のせいにすることです。そこで問題になるのが、原因帰属のスタイルです。

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