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正月太りの正体 酒の飲み過ぎ? それとも食べ過ぎ?

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

お正月の休みが明けて体重計に乗ると、明らかに体重が増えている、ということはないだろうか。こうした「正月太り」は、酒の飲み過ぎが原因で起こるのか。それとも、おせち料理などの食べ過ぎが原因なのか。そして、正月太りを解消するためには、どんな食材をとるといいのか? 酒ジャーナリストの葉石かおりが、管理栄養士で大人のダイエット研究所代表の岸村康代さんに話を聞いた。

◇   ◇   ◇

年始明けに怖いもの、それは体重計である。

年末に仕事を納めた後の解放感、そして「お正月だからいいか」という悪魔の言葉のダブル攻撃によって、戒めから解き放たれた酒飲みの食欲&酒欲はとどまることを知らない。

特に正月は、「飲んでください」とばかりのアテが並ぶおせち料理がトリガーとなる。暖房の効いた暖かい部屋で、ゴムのパンツをはいて朝からおせちをつまみながら飲む酒といったらもう……。この甘やかし状態を三が日にわたって繰り広げるのだから、太らないワケがない。そして1月4日の朝、体重計に乗って悲鳴を上げるのが恒例となっている。

いや、「恒例」とか言っている場合ではない。普段せっかく厳しい体重管理をしているのに、たった数日間で、その努力が水の泡になってしまうなんて! いったい、太るのは酒が原因なのか、正月料理の食べ過ぎが原因なのか。ここはもう、ダイエットのプロに、正月太りの原因と、それを解消する方法について指導していただくしかない。数千人のダイエット指導を行ってきた管理栄養士で、大人のダイエット研究所代表の岸村康代さんにお話を伺った。

おせち料理の「味付け」に秘密が…

先生、すっかり"巨大化"してしまいました(涙)。年末年始って、どうしてこう太るんでしょう?

「ズバリ、食べたり飲んだりして摂取したエネルギーの量と、体を動かして消費したエネルギーの量のバランスが悪いのです。普段は、通勤などで歩いたり、駅の階段を上り下りしたりしていますが、年末年始はそれがなくなり、運動量がぐっと少なくなります。それに加え、お休みなので時間もあります。暇を持て余すと、口さみしくなって、つい食べてしまう。動かないのに、必要以上に飲んだり食べたりする。これが太ってしまう原因です」(岸村さん)

うう、耳が痛い。分かっていても、年末年始は欲望が抑えられなくなる。さらに今は、新型コロナウイルスの影響でステイホームが良しとされているので、外出しなくなり、ますます運動量は減るばかりである。

動かないのにだらだら食べてしまうのに加え、おせち特有の味付けもまた、正月太りを促進する「負のループ」を作ってしまうという。

「おせちは、伝統的な日本の料理なので、ヘルシーなイメージを持つ人もいるかもしれません。でも実は、保存が効くようにしょうゆや砂糖を使って濃いめに味付けされているものが多く、糖分と塩分を多く含む料理なのです。糖分はご存じのように血糖値を上げ、中性脂肪をため込みやすくします。塩分をとり過ぎると、体は塩分濃度を一定に保とうとして、それを薄めるために水分をため込むので、むくみの原因になります。甘辛い味付けはお酒もご飯も進みますし、酔えば食欲に歯止めが利かなくなることも。『糖分+塩分』は究極の太る味付けセットなのです」(岸村さん)

おせちに限らず、甘辛い味付けの料理は本当に酒に合う。正月太りを解消したいならば、すき焼き、照り焼き、煮物などにも注意したほうがよさそうだ。

肉の部位の選び方や調理法にひと工夫でカロリーダウン

「注意していただきたいのは、糖分、塩分だけではありません。脂質もです」と岸村さん。

三が日が明け、いざ正月太りを解消するためにダイエットを始めようと思うなら、甘辛い料理を避けるだけでは不十分だ。最近は、ご飯などの糖質を控えめにする「糖質制限ダイエット」が人気だが、岸村さんによると、糖質を控えた結果、脂質をとり過ぎては意味がないという。

「ダイエットというと、糖質制限を思い浮かべる方が多いのですが、脂質にも注意しないと、思うように体重が減りません。脂質は1g当たり9kcalです。糖質とたんぱく質はいずれも1g当たり4kcalなので、その倍以上もあります。糖質制限をしていても、アブラたっぷりの豚バラ肉や皮つきの鶏肉を食べていたらやせにくくなります。また脂質を多くとると胃腸に負担がかかり、腸内環境を悪化させます。さらに、脂質の多い食事をしていると悪玉のLDLコレステロールが増える場合があり、動脈硬化や心疾患のリスクへとつながるのです」(岸村さん)

ダイエットという観点からは、「お肉」と大きくひとくくりにせず、部位の選び方や調理法にも注意してほしい、と岸村さんは話す。

実際、肉は部位によって大きくカロリーが異なる。豚バラ肉と豚ヒレ肉では、同じ200gであっても、豚ヒレ肉のほうが500kcal程度も低い(『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』を基に計算、以下同)。また鶏むね肉の場合は、250gの皮つきと、210gの皮なしでは120kcal程度も差がある。

岸村さんによると、これは魚にも言えることで、「同じまぐろ100gでも、赤身とトロ(脂身)では200kcal程度の差があります(くろまぐろ、天然の場合)」とのこと。ちりも積もれば山となる、カロリーも積もれば脂肪となってしまうのだ。

部位によってカロリーに差が出る

「調理法でもカロリーに大きな差が出ます。揚げ物は、素揚げ、唐揚げ、かき揚げなどの天ぷら、という順番にカロリーも脂質も高くなっていきます。揚げ物は絶対にダメというわけではなく、お酒のおつまみだったら、唐揚げよりも小エビの素揚げにするとか。唐揚げやかき揚げは、"ごほうび"としてたまに食べるとか、量を少なめにして食べるようにするだけでも、摂取カロリーが変わっています」(岸村さん)

正月太り解消のため積極的にとりたい食材は?

肉のどの部位を選ぶかや、調理法にも留意することが大切だということはよく分かった。

それでは、休み明けに、正月太りを効果的に解消させ、かつ確実にカロリーをコントロールするには、どういった食材を取り入れた料理がいいのだろうか?

「お正月明けにお勧めなのは、とにかく野菜です。『野菜のシャワー』でカラダを満たすようなつもりで、野菜をたくさんとりましょう。たんぱく質に加え、野菜の食物繊維を多くとると、胃や腸に長くとどまることもあり、満足感が長く続きます。特に、きのこ類はお勧めです。食物繊維が豊富な上に、アルコールや脂質の代謝に必要なビタミンB群も豊富。また、納豆、めかぶ、オクラのようなネバネバ系は、糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇を穏やかにする効果があります。おつまみとしても人気の枝豆もダイエットの強い味方。糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1、食物繊維、たんぱく質もたっぷりです」(岸村さん)

正月太り解消のため取り入れたい食材

年末年始に酒のシャワーを浴びた人は、正月が明けたら野菜のシャワーでリセットを。野菜をとる量の目安は「1食あたり、両手のひら1杯分以上」だと岸村さんは言う。きのこ類やめかぶ、オクラ、枝豆なども、つまみとしてもうまく取り入れたい。

結局、酒は「エンプティカロリー」なの?

正月太りの原因について話を戻すと、岸村さんのお話をいろいろと伺った結果、酒というよりはつまみのほうに問題があるのではないか、と感じた。確かに、酔っぱらって歯止めが利かなくて食べ過ぎてしまう場合もあるだろう。「アルコールはエンプティ(ゼロ)カロリー」という説も、酒飲みの間ではいまだに信じられている。酒自体のカロリーは、どれぐらい気にしたほうがいいのだろうか?

「お酒はエンプティカロリーと言われたりしますが、アルコールは1g当たり7kcalのエネルギーがあります。一説では、アルコールはエネルギーとして使われやすいので、その7kcalをそのまま摂取カロリーとして計算しなくてもよい、という考え方もあるようですが、新しくなった食品成分表(八訂)でも、アルコールはやはり1g当たり7kcalとして計算されるように記載されています」(岸村さん)

1g当たり7kcalと言うと、脂質よりはカロリーが低いが、糖質やたんぱく質よりは高い。ましてや、ゼロ(エンプティ)ではない。

「さらに、糖質が含まれているお酒は血糖値を上げることで、中性脂肪を蓄えやすくします。また炭酸入りのお酒も注意が必要です。炭酸の消化促進効果と、アルコールの酔いによって、気づかぬうちに食べ過ぎていることも多々あるからです」(岸村さん)

どうやら「酒はエンプティカロリー」は酒飲みの都合のいい解釈だったようだ。この件については、今後、この連載でまた掘り下げていきたい。

そして、正月太りを本気で解消したいと思うなら、食事のカロリーコントロールと内容の見直しだけでなく、酒量も考慮しないと結果は出そうにない。事実、私の周りでも酒量を減らすことに成功した結果、やせることができた人が多く存在する。

正月太りに限ったことではなく、体重のコントロールは健康維持、そして長~く酒を飲み続けるためにも必須だ。ここはひとつ、奮起せねばなるまい。

次回は、酒飲みにぴったりなダイエット方法を、食事や生活面でのアドバイスを中心に、引き続き岸村さんに伺っていく。

(文 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト、図版制作 増田真一)

[日経Gooday2020年1月8日付記事を再構成]

岸村康代さん
一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事 管理栄養士。病院やメタボリックシンドローム指導の現場で健康的なダイエットのサポートをしてきた経験や、野菜ソムリエ上級プロなどの資格を生かし、商品開発、事業開発、講師、メディア出演など、多方面で活躍。大人のダイエット研究所では、忙しい大人が無理なく健康になるためのおいしくて体にいい食の推進を行うほか、「リセットごはん」商品もプロデュース。近著に『きれいにやせる食材&食べ方図鑑』(家の光協会)、『新装版 おからパウダーダイエット』(扶桑社)、『落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエット・アドバイザーが教える最強のやせ方』(東洋経済新報社)。

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