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写真はイメージ =PIXTA

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日本人の多くの人はおそらく、1日3食をとるのが当たり前、そのほうが身体にいい、と思っているのではないだろうか。だが、米国の生物科学研究者、ジェームズ・W・クレメント氏は、著書『SWITCH(スイッチ)』(日経BP)の中で、「地球上で最も長寿を誇る人々を研究し、その食事パターンの共通点を探ると、『1日に3度の食事と間食』にならないことは明白だ」と指摘する。実は、毎日3度の食事を取ると、細胞の「ある重要な機能」が働きににくくなるという。その機能とは何なのか? 『SWITCH(スイッチ)』の抜粋を通じて見ていこう。

健康の鍵を握る「細胞のおそうじ機能」

『SWITCH』 ジェームズ・W・クレメント、クリスティン・ロバーグ著、児島修訳(日経BP)

『SWITCH』 ジェームズ・W・クレメント、クリスティン・ロバーグ著、児島修訳(日経BP)

2016年、生物科学研究者で東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏がノーベル医学・生理学賞を受賞した。受賞理由は「細胞内部の自食作用、オートファジーのメカニズムの解明」だった。

「自食作用」とか「オートファジー」と聞くと、なんだか難しいなあ、と思うかもしれないが、簡単に言うと「細胞のおそうじ・リサイクル機能」のことだ。人間の体は30兆とも40兆とも言われる数の細胞の集合体であり、その細胞にオートファジーという便利でありがたい機能が備わっている。オートファジーによって細胞内の不要物・老廃物や侵入してきた危険物(病原菌やウイルスも)を除去し、使えるものはリサイクルして再度利用する。オートファジーはいわば人間の健康の守り神だ。

 オートファジーは非常に複雑で多様なプロセスだが、日常生活で生まれたごみを分解・再生するための「細胞が元来備えているリサイクル装置」と考えるとわかりやすい。オートファジーは、私たちの身体を常に良好な状態にしてくれる。細胞内の欠陥物を取り除き、がんの増殖を止め、代謝を正常に保ち、肥満や糖尿病などを予防する。オートファジーを活性化させれば、身体の中で起きている炎症(後述するが、多くの病気や不調の原因になる)が鎮まり、老化が遅れ、病気の発症リスクが減り、身体の機能が最適化される。
(第2章「ごみ運搬車とリサイクル工場」p44)

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